珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

俺とラーメン二郎

はじめて二郎系ラーメンを食べたのは浪人生の時だった。

 

まだ代々木ゼミナール本校が代々木にあった頃、ラーメン諭吉という何だか慶応志望生を応援してんだかしてないんだか微妙なネーミングのラーメン屋があったんだけど、ここがとんでもないラーメンを出していた。当時の写真がネット上に転がっていたので、それを転載する。この奇天烈さを感じ取ってほしい。

 

 

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な、なんじゃこりゃ~(´・ω・`)

 

当時の僕は二郎系ラーメンのジの字もしらない若き浪人生だった。よくわからないがままに野菜をむさぼり喰うものの、野菜をすべて平らげる頃にはもうお腹が一杯でとてもじゃないけど麺まで箸が進まなかった。申し訳ない思いとともに、すみませんと敗北感たっぷりにその場を後にした。

 

食べ終わった時は「こんな店二度とくるもんか」と思ったのだけど、人間というものは不思議なもので、一週間ぐらいすると何かまたこれが食べたくなってくるのである。

 

この時は知らなかったが、二郎系ラーメンにハマった人々・通称ジロリアンと呼ばれる人間は大体一回目は僕と同じような感想をいだき、そして数週間後にまたこの魔の食べ物に引き寄せられ、そのまま二郎にゾッコンLOVEになる傾向があるみたいである。

 

しかしもう一度挑むとなるとやはり完食しなくてはいけない。野菜を初めから減らすという選択肢は何か負けた気がして嫌だった。そうして授業なんてそっちのけで、このラーメンの攻略法をノートに書き始めた。

 

まず最大の関門はどう考えても、あの多量の野菜だ。あれのせいでいつまでたっても麺に到達できず、その結果麺がのびてしまって、とてもじゃないけどおいしくいただけない。どうすればいいんだ・・・

 

     |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
   /  .`´  \
     ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    (・∀・∩<そうか。麺と野菜の場所をひっくり返せばいいんだ。
    (つ  丿 \_________
    ⊂_ ノ
      (_)

 

ジロリアンの中でこの食べ方を天地返しと呼ぶことを知ったのはだいぶ後になってからだ)

 

というわけでやってみた(画像はイメージです)

 

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なんか凄い食べ物になってる~(´・ω・`)

 

と、いうわけで後は一心不乱に食べ進めた。全ての雑念を追い払い、黙々とただ箸を進めていく。水の摂取は最低限に抑え、お腹の中の残りわずかなスペースに多量の野菜と麺を詰め込んでいく。

 

そして僕は勝った。完食した。今までいろんなものに勝ったりしてきたけど、こんな征服感は生まれて初めてだった。その後の授業は全部寝たけどな。

 

そして世界にジロリアンがまた1人生まれた。

 

ラーメン諭吉はもうないけど、僕は今でも数ヶ月に一度、このジャパンが産んだ狂ったラーメンを完食している。

 

あの頃と比べると、随分と食べるのもうまくなったもんで今ではヤサイ・ニンニク・マシマシをぺろりと平らげることができる。けど、あのとてつもない征服感は、もうない。何だかちょっぴり残念ではある。

 

なぜ二郎を食べるのかって?

 

そこに二郎があるからさ(´・ω・`)