なぜ世の中はよくならないのか
学生の頃、僕はこの腐った世の中を憎んでいた。世界には不幸が満ち溢れている。なんでみんなこの問題に切り込まないのだろう。社会人になったら絶対にこの世をよりよくしよう。そう思っていた。
だけど今では世の中がよくならないのは何故かがよくわかる。端的にいえば、エリート層も貧困層も、世の中が変わってほしくないのだ。以下にその理由を書こう。
社会的階層の高い連中と付き合うのは楽しい
東京でまだ消耗しているの?なんてイケダハヤト尊師は仰るけど、東京はエリート層にとってはこれ以上無く楽しい空間だ。
世の中にはおかしな連中がたくさんいる。というかおかしな人間の方がはるかに人数の割合は多い。
200円のファーストフードチェーン店に入って、変なクレームをつけてくる気が狂ってるとしか思えないような人間。
100歳になっても20歳と同じぐらい健康な体を持てると思っている人間。
働けばわかるけど、世の中こんなのばっかなのである。初めは崇高な精神を持っていた人間も、労働を通してこういう連中とかかわるにつれて、どんどん人間が嫌いになっていく。
こういうストレスフルな空間から開放され、オフでは学生時代の友人やそのつながりであったインテリジェンスの高い人々と刺激的な会話をしてこう思うのだ。
「こっちの社会の方が全然楽しい。つうか面倒くさい人間と関わって人生無駄にするのって馬鹿じゃないか」
そして社会的上層の人々は、仕事上でかかわる面倒くさい層と自分周りの人間が違う種類の人類である事を学ぶ。
そもそもみんな努力なんてしたくない
人間、変わるためには無茶苦茶な努力をしなくてはいけない。
例えば英語が喋れるようになりたいのならば、英文法をマスターして、模擬試験を数十回受けて、何でもいいから英語を喋る機会を作る機会を自分でつくらなくてはいけない。
これはお金もかかるし時間もかかるし、なによりもたくさん傷つく。こんなつらい思いをして、英語が喋れるようになりたいなんて思っている人はほとんどいない(楽して喋れるようになりたい人は沢山いるけども)
世の中を仮によくしたいのならば、そもそも個人が変わらなくてはいけない。そして変わるためにはこういった無茶苦茶な努力が必要だ。
世界には自分の頭で思考でき努力の辛さを耐えられるタイプの人間と、難しいことを考えないでぼーっとして生きていたい人間の二種類がいる。
努力ができる、辛さに耐えられる層は、ぼーっとしている人間に変わって欲しいと思っている。そうすれば世の中がもっとよくなるから。
だけどぼーっとしていたい層は努力ができるようになりたいだなんて絶対に思わない。そんな辛い思いなんてするぐらいならば、テキトーに生きて面白おかしく楽しく生きていたいから。
だから世の中は変わらない。これは普遍的な真理である。
それでも世の中を変えたい。じゃあ政治家になろう。どうすればいいの?
努力できない個人を変えるのが困難である。個人は変えられなくても、世の中にはおかしな仕組みが沢山ある。それを変えられるじゃないか。そう思うのならば、あなたは政治家にならなくてはいけない。
政治家になるためには票を集めなくてはいけない。あなたがどんなに高貴な精神の持ち主であろうが、IQが300あろうが、0票では政治家になれない。
票を稼ぐためにはそうすればいいか。まず既得権益に取り入る必要がある。農協、医師会などといった多数の票を持つ人々。これに加えて暇している老人。こういう大きな組織票を持つ存在に気に入られないと、あなたは政治家になれない。
その為にどうするか。足を棒にして各地を歩き回ったり、旨くもない酒をバカスカ飲んだり、しょうもないパワハラにも笑って答えなくてはいけない。
ここまでして、ようやく政治家になれた。じゃあ世の中が変えられるか?もちろん変えられない。というかようやくスタート地点に立てただけだ。ここから先も、努力しつづけなくてはいけない。
あなたがこんな苦労をして助けられた社会的下層はあなたに感謝するか?たぶん全然しない。むしろいろいろワーワー言ってくるだけだ。
こんなことしてて楽しい?多分全然楽しくない。
かくして心がダークサイドに堕ちたエリートはどうするのか
身の回りの馬鹿は自分の力ではかえられない。世の中の仕組みを変えるためには、馬鹿な連中に頭を下げ続けなくてはいけない。
こんな事するぐらいならば、アホな連中から金を巻き上げるシステムを構築して億万長者になって、自分と似たような社会的階層にいる知的で容姿に優れた男女と面白おかしく過ごしている方が全然楽しい。
かくしてエリートの心はダークサイドに落ちる。
アホな連中から金を巻き上げたいのならば、世の中の人々は馬鹿な方が全然都合がいい。金は正義だ。金さえあればやっかいごとの9割は避けられる。金を稼ぐためにはカモが必要だ。じゃあ世の中、このままの方がいいじゃん。
そしてここに一つの構図が生まれる。カモから搾取したいエリート層。世の中を適当に生きていたい変わりたくない搾取される層。
そして世の中は、不平等な仕組みで固定される。
こんなのおかしいって?でもね。これが人々が望んだ世界なんだよ。
結論
世の中はちょろい。僕の尊敬する人はこういった。
僕は初めはこの人が何をいってるのか全然わからなかった。だけど上の構図を理解してから、この人が何を言ってるのかが凄くよく理解できた。
僕は学生時代はこの腐った世の中を変えたいと思ってた。そして色々夢のあることを恥ずかしげもなく言ってた。
ただ社会にでてみて思ったのは、この世の中が歪んでいるからこそ僕ら社会的上層がいい思いをしているのである。そして何も考えなくて生きていたい社会的下層の人々も、思考税・努力税を免除されているのである。
これを是正していいことがあるのか?たぶん何もない。これが世の中の真理なのである。
あけましておめでとうございます。今年もこのクソッタレな世の中を共に愛して生きていきましょう。
---参考文献---
id:topisyuさんのこの本、めちゃくちゃ心にズドンとくるのでオススメ。