珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

君は紫原明子という巨人の人生録を読まずに死ねるのか~家族無計画・書評~

紫原明子と聞いてピンとくる人は少ないかもしれない。まあ端的に言うと、ちょっと前に東京都知事選で泡沫候補として戦った家入一真氏の元・妻である。その方の初の書籍がつい先日出版された。

 

前から真摯なファンだった僕は発売日当日に買い、当日に読み終わったのだけど、あまりにも素晴らしい本だったので今日は書評を書くことにする。

 

家族無計画

家族無計画

 

 

 

僕が初めて明子さんの存在を知ったのは、元夫の家入一真氏の出版した人生録を読んでからだ。現在は家入氏というとインターネットの人というイメージが強いが、自伝を読めばわかるが当初はそりゃもお悲惨なスタートである。

 

ひきこもり、コミュ障、高校中退、せっかく見つけた就職先でも問題を起こして辞職・・・どう考えてもとてもこんな人が億万長者になれるはずないというスタート地点からの立身出世話は、申し訳ないけど最高のエンターテイメントだ。

 

そんな随分と個性的な家入一真氏が主人公のこの本の中で、明子さんは家入一真氏以上にユニークな存在として書かれている。高校在学中に21歳の男とインターネットを通じて出会い、半年後に同棲・結婚する女の子だなんて、ちょっと悪いけど度胸ありすぎである。

 

本を読みながら、家入一真氏以上に明子さんがどんな人か気になり、現在はインターネットでライターをしているという事を知った僕は、その後熱心に明子さんの文章を読み込むファンとなった。

 

先に紹介した家入一真氏の自伝では作者本人が書いているだけあって、家入一真氏がカッコ良く描かれている。あの本を読むと家入一真氏は、家族おもいなナイスガイだという風に読める。

 

しかしその後でこの本を読むと、物事はそう単純でもなさそうだという事が書かれていて、これまた非常に申し訳ないのだけど非常に笑える。詳しいことは本書を読んで欲しいので書かないけど、時代とお金の力は一人の人間を簡単に変えてしまうという事がよくわかり、大変興味深かった。

 

実はかつても似たような事例はあった。囲碁の伝説の名手・藤沢秀行氏は愛人4人、子供19人を持ち、アルコール依存症ギャンブル依存症を持ち、多額の借金を抱えるという昭和を感じさせる破天荒な人物であった。家入一真氏に負けず劣らず破綻した人生を歩んだものの一人だ(興味ある人はウィキペディアでも読むといい。面白いから)

 

この人の人生録は非常に面白く、度々テレビなどでも放映されていたのだけど、この方も著書の中では「家族には苦労をかけたけど、囲碁で稼いだ賞金でなんとか自分が養った」という点を度々強調されていた。まあ実際は真っ赤なウソであり、そのことを妻である藤沢モトさんに後で本の中で暴露されているのだがw

 

 

 

この藤沢秀行氏の例に限らず、破天荒な人生を送っている人は家族に迷惑はかけたが、キチンと自分が養っているという点を非常に強調する傾向があるのだけど何でなんだろう?家族をかえりみないという事を認めると本が出版できない規定でもあるのだろうか。

 

まあそんなわけで、僕はこの本を「本に書かれている事は必ずしも真実ばかりではない」という当たり前すぎる事実を学ぶという事を含めて大変な名著だと思うのだ。そういうわけで(明子さんは嫌がるかもしれないけど)やっぱり元夫・の家入一真氏の自伝とセットで読むのが味わい深いと思う。

 

なお本書には明子さんの人生録以外にも、学歴も職歴もない明子さんが家族を養うために一から仕事を獲得する生存戦略や、出産の大変さなどが非常に面白く書かれており、全体を通して非常に濃密な一冊に仕上がっている。どんな人が読んでも楽しめる事請け合いだ。

 

あと最後に・・・明子さん、本書では謙遜されているけど・・・裏では絶対モテてるでしょ(笑)

読書を趣味にすることに憧れているそこのあなた、まずは漫画から読み始めよう

フラッパーコミックスが6/23までAmazonで50%OFF+20%ポイント還元とかいうキチガイみたいなセールやってるので、それに合わせて漫画のススメを今日は書こうかと思う(下のリンクはオススメ作品集になります)

 

togetter.com

 

僕も高校生時代はそうだったんですけど、本読め本読めっていろんな人から言われるんですけど、いざ読み始めると10ページもたたないうちに集中力が途切れるような性分でした。

 

そんな読書に憧れる高校生時代。何度も何度も読書にチャレンジしたんですけど全然駄目だったので、まあまずは自分にできることから始めればいいかと思い、漫画を山のように読み漁ったんですよね。

 

当時はブックオフが出てきたって事もあり、漫画を立ち読みできる環境は少しですが整備されつつありました。とりあえず自宅近くのブックオフにある全ての漫画を読破する事を目標に、毎日毎日ブックオフに通いつめてた半年間。

 

はじめはこち亀あずまんが大王といった比較的文字数の少ない読みやすいものからはじめ、徐々に手塚治虫のような難解な漫画にチャレンジするようになって、ふと「ひょっとしてそろそろ俺、本読めるんじゃないか?」と思っていくつかの本に取り組んでみたところ、その想像は大いに当たっており、びっくりするぐらいスラスラ本が読めるようになっていました。

 

もちろん活字になれたという面もあるのでしょうけど、最も重要だったのが、活字の本を読みつつ頭のなかでイメージが簡単に想像できるようになっていたという点だと思います。脳の中に比較すべきイメージが備わってなかった時は、活字の本を読んでもいまいちイメージしにくかったものも、漫画を通じて沢山の画像を脳内にインストールすることに成功した後は恐ろしく簡単に文字を映像化できるようになっていました。

 

活字からイメージを想像できるような頭のいい人は漫画なんて読まなくて本からスタートすればいいんでしょうけど、僕のようなあまり頭のよくない人間にとって、イメージの元となる画像を漫画という媒体を通じて脳内に多数インストールできた事はこれ以上なく大切な事でした。

 

今現在でも漫画は平行して読み進めているのですけど、ほんとこの日本の漫画文化って最高に素晴らしいよな、と思います。何事も初心者向け講座みたいなものがありますが、読書における初心者向け講座はまさに漫画なわけです。そしてその漫画に非常に簡単に触れられるという日本の現状は、日本の国力の礎たるといっても過言ではないと今では思います。

 

と、いうわけでみんなも漫画メチャクチャ読もうぜ。絶対無駄にはならないから。

ケーススタディから学ぶ、日本の介護問題

A「お客様でこれからの介護問題に悩んでいる方はいらっしゃいませんか~」

 

B「あーはいはい。最近祖母がボケて来ちゃって介護について真剣に考えなくちゃいけなくなりまして。これから先、日本は前人未到の超高齢化社会になるっていうし、今後の日本の介護がどうなるのか不安で不安で」

 

A「お気持ちお察ししますう。そんなあなたにぴったりな商品がコチラッ!題して近未来・ジャパソ介護物語」

 

B「き、近未来・ジャパソ介護物語~」

 

A「それじゃあ時間がもったいないんで、サクッと始めますね」

 

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時は2xxx年。日本によく似たジャパソという国のお話。とある貧しい家庭に切実な介護問題が差し迫っていった。

 

(´・ω・`)→あら田。最高学府卒のこじらせニート。介護3年目。

( ˘ω˘)→あら田の父。

(゚∀゚)→介護省の職員。

 

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(´・ω・`)「もうとーちゃんの介護疲れたぉ。これ以上は限界だお」

 

( ˘ω˘)「あら田すまんなぁ。ワシが不甲斐ないばっかりに」

 

(´・ω・`)「TVで介護に困ったら介護省に電話しろっていってたから、電話してみるか」

 

とぅるるるるるる

 

(゚∀゚)「はい。もしもし、こちらドッピ・・・ゴホッ、ゴホッ。間違えた。介護省です」

 

(´・ω・`)「もう介護やりたくねーお。施設に入れてくれお」

 

(゚∀゚)「それでは2つのプランがございますので、見学後にお選びください」

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プランA

(゚∀゚)「こちらがプランAになります。この施設の名前は通称ハイパーUNCOクリエイター。こちらは2016年頃、ジャパソでよく行われていた介護とほぼ同様の内容になります」

 

(´・ω・`)「くたびれたヨダレを垂らした老人とか、車いすに座ってムニャムニャ言ってるのとかいる。あとすげえ臭え」

 

(゚∀゚)「こちらは完全介護主義でして、24時間介護士がつきっきりで介護にあたってくれます。入浴、食事、排泄といった生活上での諸問題ならびに病気になったらすぐに病院につれてってくれるサービス付きです」

 

(´・ω・`)「他人事としてみれば、なんか貴重な資金や労力を使ってウンコを生み出す無意味な施設としか言いようがないなぁ。ウンコマニアが至高のウンコを生み出す事に価値を見出すならともかく、普通はこんな事業に何の意味も見いだせないわ。

 

(´・ω・`)「こんなウンコ製造施設に税金を多額に投与したから、今のジャパソは貧しくなっちゃったのかもしれないと思うと涙が出てくる。けど自分の家族をいざ入れるとなると、これぐらいのサービスはして欲しいよなぁ」

 

(゚∀゚)「こちらになさいますか?それでは入所金としてまずは3000万円。その後、月々25万円の支払いが必要となります」

 

(´・ω・`)「3000万円!?んな金ねーよ。ってか月々の25万も逆立ちしても無理だよ」

 

(゚∀゚)「それではプランBを見に行くとしましょう」

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プランB

 

ゴゴゴゴ・・・

 

(´・ω・`)「なんか正門にこの門をくぐる者は一切の希望を捨てよって書いてあるけど、ここ大丈夫なのか・・・それとさっきと比べ物にならないぐらい臭い・・・」

 

(゚∀゚)「おまたせ致しました。こちらがプランBの通称・UBA-SUTE-YAMAになります」

 

(-_-)「はい、どいたどいたー。3体焼却炉息だよー」

 

(´・ω・`)「なんかドロドロになった人間みたいなのが外に運ばれてきたぞ・・・」

 

(゚∀゚)「先ほどのプランAのハイパーUNCOクリエイターが完全介護主義だとしたら、こちらのプランBのUBA-SUTE-YAMAは完全放置主義です。当施設は先程の(-_-)が一人で経営しておりまして、彼は 全く 何も しません

 

(´・ω・`)「全く何もしないって、この施設なんの為にあるんだよ」

 

(゚∀゚)「皆様、情とかナサケとかで介護をするから苦しむのです。そんなウンコ製造機でしかない非生産人口を多大なる労力と金を使って生きながらえさせるのは、贅沢品であるというのがジャパソ政府の公式会見でございます」

 

(´・ω・`)「・・・」

 

(゚∀゚)「だけどみなさま、自分の手を汚すのだけは嫌がるのですね。だからジャパソ政府が皆様の手を汚さず、ウンコ製造機をあの世へ導くための施設を作ったのです」

 

(´・ω・`)「・・・そこまでするのなら安楽死させる方がまだマシなんじゃないか・・・」

 

(゚∀゚)「安楽死は殺人です。じゃああなたは彼→(-_-)に手を汚せと。まったくわかってないですね。このUBA-STE-YAMAに入所した人は、勝手に死ぬのです。いっておきますが、ここには食べ物もあるしトイレもベットもあります。だけど誰も介助はしてくれません。つまり入所者は自分の力では生活できないから、勝手に自死するのです」

 

(´・ω・`)「・・・」

 

(゚∀゚)「人間、人の手を借りなくちゃ生きれないのなら、それは一つの寿命だとは思いませんか?あら田様」

 

(´・ω・`)「そう・・・かもしれない。けど・・・僕はどちらの道も選べない」

 

(゚∀゚)「左葉ですか。考える時間はたっぷりとあります。家に帰ってよく考えてください。それと僭越ですがあら田様。ジャパソは一人でも多くの方に税金をおさめて頂きたいのです。介護から早々に開放された後は、当局が責任持って仕事を斡旋しますので、早々とニートを卒業なさってください」

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(´・ω・`)「俺が・・・とーちゃんを・・・どうにかしないと」

 

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それから3年後。

 

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(゚∀゚)「久しぶりですあら田様。意外と長くかかりましたが、ようやく決心がつきましたか」

 

(´・ω・`)「介護省のお兄さん。あんた達はよくやってるよ。けれどオイラにはどちらの選択肢も選べないから、第三の選択肢を創りだした」

 

(゚∀゚)「これは・・・」

 

(´・ω・`)「名づけて完全介護カプセル。とーちゃんはこの中で何不自由なく眠っている。まるで母親の胎内にいるかのごとく、このカプセルに入れさえすれば死ぬまで夢ごごちのまま何一つ苦しむことなく寿命を全うできる」

 

(゚∀゚)「しかしあら田様、このカプセルはプランAのネオUNCOクリエイターと本質的には殆ど変わりないのでは?使う労力が人と金から、莫大な電力に切り替わっただけかと・・・」

 

(´・ω・`)「その心配はいらない。水素電池と人体の体温で運転しているから基本的にはエネルギーは問題にならない。むしろ発電作用すらある」

 

(゚∀゚)「あら田様・・・ただの最高学府卒のクソニートじゃなかったのですね・・・」

 

(´・ω・`)「もちろんこのカプセルに入るって事は、それなりに覚悟のいる事だとは思う。基本的に一度入ったら二度と出れない。だけどジャパソの作ったUBA-SUTE-YAMAに入るぐらいなら、こっちの方が100倍マシだって人がたくさんいるはずだ」

 

(゚∀゚)「・・・」

 

(´・ω・`)「それに見てくれよ。この顔」

 

( ˘ω˘)

 

(´・ω・`)「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。生きてるんだぜ。それで。」

 

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A「いかがでしたか?」

 

B「いや・・・これからの日本の介護問題、どうなんだろうって心配になったわ」

 

A「んー。まあ基本的には完全介護型のプランAは早々に倒壊するでしょうねえ。」

 

B「じゃあB・・・完全放置型の未来も近いのかなぁ」

 

A「全く同じとはいかないかもしれませんが、近いのはありえるかもしれませんね。いいですか。このお話で大切なのは、現状のプランAは持続可能な部分が全く無いという事と、プランBは一見非道に見えつつも人間の寿命をキチンと考えた時、自死という概念もまた大切だって事なの。」

 

B「自死・・・」

 

A「歴史が始まって以来、人間の死亡率は常に100%なの。就活ならぬ終活も、しっかりと心に止めておかないとね。そうする事ができれば、自分の意志でプランCを選んで、誰の手も煩わせる事のない未来がくるかもしれない。」

 

B「そっか。私、自分の命の終わらせ方って考えた事ありませんでした。Aさん今日はありがとう。

 

A「いえいえ。どういたしまして」

 

B「ところでなんでこんな所で介護の啓蒙活動を?」

 

A「それはね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

Σ(;゚ω゚ノ)ノ

 

 

 

 

 

 

 

時空警察┏┫ ̄皿 ̄┣┛「探しましたよ・・・A・・・。あなたを時空法9条【過去の歴史上の人物に故意に接触し、歴史を変える可能性のある情報を伝える事】違反で逮捕します」

 

B「はぁ?どういう事?」

 

A「B・・・実は私はタイムマシーンにのって100年後の日本からやってきた未来人なの。あなたがプランCの元となる技術を創りだしてすぐ、Gxxgleの開発した人工知能の悪だくみによって、ほぼ全ての人類はカプセルの中に入れられてしまうの。」

 

B「はぁっ!?あれ作り話じゃなかったの!?」

 

A「私はその未来を止めに来た。プランCが人工知能に悪用されないような明るい未来の為にっ」

 

時空警察┏┫ ̄皿 ̄┣┛「何を話している。こっちにコイ」

 

A「B・・・逃げるわよっ」

 

B「(´・ω・`)ヒィィ

 

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Next story...

 

珈琲をゴクゴク飲むように The movie 

 

2017年冬 公開予定

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(未完)

脅威のウェブメディア、Books&Appsについて

まずはご報告を。先月からBooks&Appsさんで週一ぐらいをペースに連載記事を書かせていただいております。以下に今まで書いた記事が載ってます。

 

高須賀 | Books&Apps

 

一応一ヶ月続いたので、まあこれからも続けられるだろうと思ったのでこのブログでも告知する事にしました。あちらの記事も読んでいただけるとありがたいです。

 

実は今までも何回かライターの仕事を依頼された事はあったのですが色々あって全て断っていました。それが今回なんで引き受けることになったかといいますと、Books&Appsさんの経営理念が随分と面白かったからという事になります。

 

まあお仕事頂いてる手前もありますので、以下Books&Appsさんがどれだけぶっ飛んでるのかについて書いていこうと思います。

 

一ヶ月ぐらい前の某日、編集長の安達さんに誘われて、一人じゃ絶対に行かないような高いコーヒー(一杯1500円)を出す店に呼び出された僕は、正直この恐ろしい原稿依頼をしてくるのがどんな人なのか興味津々であった(以下が公式サイトに載ってる著者の写真)

f:id:kounotori0305:20160602203701p:plain

 

だいぶ脚色を加えて、実際に合うまでに行われたメールでのやり取りを書くとこうなる。

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安達さん「高須賀さん。うちで原稿書きませんか?」

 

高須賀「どういうのをご所望ですか?」

 

安達さん「あ、うち自由なんで。特定個人を名指して攻撃しない記事なら、何でもオッケーです」

 

高須賀「はぁ!?なんでもいいんですか?」

 

安達さん「なんでもいいです。ていうか高須賀さんが自分で決めてください。原稿料もそっちで決めていいです。できる限り善処しますから。あと締め切りとかも全くないんで。書きたい時に書いて、書き終わったら好きなだけ送ってください。基本全部採用しますから」

 

高須賀「はぁ!?!?」

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どうです?やばいでしょ。ちなみにこの話を知り合いのライターに相談したら、全員が全員絶対そこ絶対ヤバイって、というアドバイスを僕にくれたことをコッソリ報告しておきます(実際は大変仕事しやすい素晴らしい環境です)

 

実はと言うか、仕事の依頼をもらうまで、Books&Appsさんの事は全く知らなかったんですよ(すみません・・・)仕事を依頼されて初めてサイトの存在を知ったので、とりあえずはてなの隅っこにいる末端ブロガーに仕事持ってくる会社がどんな所か気になって見に行ってみて衝撃を受けたんですよ。

 

何が凄いって?まずPV数が桁違いにヤバい。例えばこのサイト一番人気のこの記事のPV数は120万である。

 

blog.tinect.jp

 

ちなみにこのブログは普通に更新すると500ぐらい、そこそこバズってヒットしても5000ぐらいである。一番読まれたので5万位かなぁ。あ、あのー。仕事頼む相手間違えてませんかね・・・

 

とりあえず幾つかの代表的な記事と安達さんの出している本(面白かった)を読んだ上で、会合の地である、自分では絶対に行かないメチャクチャおしゃれなカフェに出かける事になりました。

 

「仕事ができるやつ」になる最短の道

「仕事ができるやつ」になる最短の道

 

 

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安達さん「どうも高須賀さん。うちで執筆いただけるようでありがとうございます」

 

高須賀「いやこちらこそ。ていうかあんな適当な感じの仕事依頼でいいんですか?」

 

安達さん「いいんです。っていうか今のSEO対策とかそういうのを目的にしてPV稼ぎを狙ったウェブメディアに未来はないと思ってますから。面白い記事書いてくれれば、それで十分です。締め切りも、前は設定していた事もあったんですけど、それすると記事のクオリティが経験上、高まらない事がよくわかったので設定してません」

 

高須賀「仰ること全てに心の底から賛同しますが、それで採算取れるんですか?」

 

安達さん「余裕です」

 

高須賀「ひょえー(´・ω・`)」

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いや最後の方はだいぶ脚色があるんだけど、僕もまあ全く同じことは思ってはいましたよ。量産型ブロガーだかなんだか知らないけど、くっそツマラナイ記事をネットの海に流しまくる人達がガンガンはてぶのトップとかに出てくるのをみながら「いやそんなクソつまらん記事書いてて何が楽しいの?ていうかこれ読んでる人も、こんなのが面白いと思ってるの?」ってワイン片手に量産型ブロガーへのアンチテーゼとして運営されているのがこのブログですから。

 

ただまあその結果が一記事書いて500PVという冷徹なまでの結果なわけで。まあ個人的には面白いモノ書いてるつもりではいますけど、正直数値は稼げないだろうなぁって思ってましたし、数値稼げないから仕事にもなりようがないだろうなぁとは思ってました。まあブログなんて所詮余暇だから、自分が楽しければそれでいいかなーって感じではあったんですよね。

 

そんな中で安達さんの野望はとんでもねえものだと思うんですよ。まあ考えてみれば、週刊少年ジャンプとかを筆頭とした紙媒体なんてそもそもSEO対策だなんて出来ないわけですから「面白いか否か」以外に人を呼ぶ要素が全くないんですよね。

 

そういう事から考えれば、ジャンプみたいに「面白い事」だけで人を呼び寄せるウェブメディアを作り上げるって野望はメチャクチャ理にかなっているっていうのはわかるんですけど、それをリアルに実現しようとしているってすげぇ事だと思うんですよね。

 

かつてはブロゴスやニュースピック等が頑張って到達しようとしたけどできなかったのがウェブメディアの少年ジャンプ化なわけですから。いや本人に直接「ジャンプ目指してるんですか?」って聞いたわけじゃないからなんとも言えないですけど。

 

そんなわけで、しばらくの間は面白くて為になる記事を週一を目安に寄稿し続けようと思っております。あ、Books&Appsさんはライター募集しているみたいですから、興味ある人は応募してみてはどうですかね?応募しても採用されるのかどうかはわかりませんが、とっても面白くて働きやすい仕事先であるのは太鼓判を押しちゃいますよっと。

 

blog.tinect.jp

あなたの核を作るための読書案内。高須賀が選ぶこの100冊 NO.6~NO.10

この記事の続きです。残り95冊。

takasuka-toki.hatenablog.com

 

活字中毒気味な今では考えられないけども、高校生ぐらいの頃は本を読むのがひたすら苦痛だった。とはいえ読書という行為に憧れはあったので、自分が読めるレベルの本からスタートする事にした。それがライトノベルやミステリーといったジャンルであった。

 

僕の読書遍歴は漫画→ライトノベル→ミステリー→自己啓発→受験参考書→ビジネス書→自伝→自然科学系→オールジャンルって感じだ。この順番に難易度がガンガン上がっていく。

 

ドラクエでもはじめはスライムを倒すことから始まる。読書も優しいものからスタートすれば、自然といつかは難解なものも読めるようになる。

 

さて前置きが長くなった。今回はみんな大好き、自己啓発本である。

 

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

 

 

ナポレオン・ヒルの名著である。実をいうとこの本自体は読んだことがなくて、当時売っていたマニアックな会社が販売していた速聴CDしか聞いていない。

 

とはいえなんでこの本をここに持ってきたかというと、この「思考は現実化する」が僕の一大哲学だからだ。僕は今までの人生経験上「こうなりたい」という思いを抱いて生きていて、それが実現化しなかった事はほとんどない。

 

毎日毎日「なりたい自分」の姿を夢想しつづけるだけで、大体においてそれは何年か後に実現化する。もちろん努力もするんだけど、大切なのは自分がその夢を手に入れたいという気持ちをずっと持ち続ける事だ。

 

僕はこれで医大に合格したし、彼女もできた。最近だと執筆依頼が来たりと、まあ大体夢は実現している。今はとりあえず大金持ちになる事を夢想して生きている。

 

思考は現実化する。想像力も、意外と馬鹿にならない。

 

 7

再受験生が教える医学部最短攻略法 2015年版 (YELL books)

再受験生が教える医学部最短攻略法 2015年版 (YELL books)

 

 

たぶん人生で最も多く繰り返し読み込んだ本である(僕が読んだのは受験生当時のバージョンだけど)

 

当時とある進学校にいた僕は、身の回りにいる連中の一部に、少ない勉強時間にもかかわらず定期試験で高得点を叩き出している連中がいるという事実に気がついていた。

 

かけてる時間が少ないのに高得点を叩き出しているのだから、方法論自体が優れているに違いない。そう思った僕は書店で受験勉強法の本を読み漁った。和田秀樹、福井一成と有名どころを辿った後に見つけ出したのが荒川英輔氏のこの本だった。

 

はっきり言って革新的だった。和田・福井の方法論が頭がいい人が書いたあさっての方向を向いたわけのわからない受験勉強本だったのに対して、荒川の方法論はかなり凡人にも理解可能な範疇のものだった。

 

ものすごく、ものすごく読みこんだ。まるで敬虔なイスラム教徒がコーランを何度も何度も読み込み、正しい生き方とは何かを学び取ろうとするかのごとく、僕は正しい受験勉強という道を歩む為に、受験勉強そっちのけでこの本を読み込んだ。本末転倒である。

 

今考えれば、正しい受験勉強法なんていうのは極めて些細な事で、大切なのは当たり前だけど受験勉強自体をキチンとする事だ。偏差値は、勉強時間に比例する。受験勉強方法論を読んでも全く頭はよくならない。

 

これは本当に本当に大切な事なのでこれを読んでいる受験生の人がいたら、心に止めておいて欲しい。もう一つだけ付け加えるとすると、絶対に初めから難解な参考書を使わないこと。基礎の徹底だけで東大にも入れる。

 

それと初期段階では大手予備校の有名講師の基礎的な授業にキチンと通うこと。予備校は頭のいい連中には必要ないかもしれないが、バカには極めて大切だ。

 

 

どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法

どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法

 

 

荒川の本の原本となったという本。荒川が上の本で大絶賛していたという事もあり、荒川信者は大体読んでいるはずだ。

 

内容は極めて合理的な受験勉強のための方法論である。これもメチャクチャ読み込んだ。正しい方法で受験勉強すれば、人より少ない労力で偏差値を上げることができるという幻想に囚われていた僕は、偏差値が上がらない理由を方法論が間違っているからだと思い込んでいた。実に愚かである。さっさと勉強すればよかったのに。

 

この本の著者、井藤さんは結構クセのある人で、本の中に色々な人生哲学やオススメ本を散りばめてくれていた。当時信者と化していた僕は、当然というかそれらのオススメ本も買って読んだ。

 

この当時はAmazonはまだ一般的ではなかったので、新宿・紀伊国屋とかの大型書店に出かけて書店員にリストを渡して本を探していた。今では紙の本は新品で買うことなんてほとんどない。隔世の感である。

 

この本に書いてる事自体は、正直訳に立たなかったけど(笑)ただまあ文字を読む良い訓練になったし、著者のような読書家になりたいという憧れを持つ事ができたのは大変よかった事だと思う。本書をきっかけとして、僕は道元ウィトゲンシュタインキリスト教などといった多数の面白い分野の本に手を伸ばす事となった。思い出深い一冊だ。

 

なお井藤さんの本はいくつか既に絶版だが、読み物としても大変おもしろいものが多いので、全て買って読むといいと思う。特に仕事力を高めるダイヤモンドルールは非常にいい本だった。なんで売れなかったんだろうこれ?

 

井藤式 仕事力を高めるダイヤモンドルール

井藤式 仕事力を高めるダイヤモンドルール

 

 

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

 

 

その後、なんとか医大に入ることができた僕は、素晴らしい空気の読めなさも相まって大学で孤立していた。凄く寂しかったのは今でも覚えている。

 

西原理恵子さんの本は、どこかの部屋に置いてあった毎日かあさんが初めて出会ったきっかけだったと思う。お世辞にも読みやすいとは思えないその漫画に何故か惹きつけられた僕は、その後まあじゃんほうろうきに魂を打ち砕かれ、そして作者の人生哲学である本書を読むこととなった。

 

初めてこの世でいちばん大事なカネの話を読んだとき、文字通り感動に打ち震えた。最近ではお金の話をキチンとする本も結構見かけるようになったけど、この頃はそんな本は殆ど無かったと記憶している(僕が知らなかっただけかもだけど)

 

 「貧乏は病気だ。それも、どうあがいても治らない、不治の病だ」

 

この一節を読んだ時、不思議と涙が止まらなかったのを今でも覚えている。僕は比較的裕福な家に育ったが、両親がひどくお金の話題を嫌っており、家庭内で全くお金の話を聞くことができなかった。

 

でもお金が生きていくうえで、本当に本当に大切なものだという事は幼心になんとなくはわかっていた。だけどムズカシイ経済学の教科書を読んでもリアルなお金についての大切さは全くわからない。その大切なお金の話を誰にでもわかりやすい形で初めて教えてくれたのがこの本だった。

 

今読んでも色あせない、素晴らしい名著だ。

 

10 

 

この本に出会ったのは偶然だった。たまたま書店で山積みされていた本書を読んで、おろしい情報量の密度に圧倒され、そのまま買って帰ったのを今でも覚えている。

 

その後から僕は一貫して橘さんのファンである。この間は講演会にも出かけてきた。現実の橘さんは想像していたよりかなり普通だった(けど発言内容はすざましかった。あんなに面白い講演会は生まれて初めてだ)

 

本書のテーマは極めて強烈だ。

 

貧困、格差、孤独死うつ病、自殺…世界はとてつもなく残酷だ。それに抗えとばかりに自己啓発書や人格改造セミナーは「努力すればできる。夢は叶う」と鼓舞する。が、奇跡は起こらない。生まれ持った「わたし」が変わらないからだ。しかし絶望は無用。生き延びる方法は確実にある。さあ、その秘密を解き明かす進化と幸福をめぐる旅に出よう!

 

当時自己啓発にはまっていた僕は、のっけから自己啓発を否定するこの論調に一気に引き込まれた。そしてNO.6で紹介した「思考は現実化する」を翻訳した田中氏がメチャクチャな人生を送っている事をこの本を読んで初めて知り、自己啓発で人間は変われないのだという事実に酷く驚いた。

 

橘さんのスタンスは極めて冷酷だ。キチンとした学問的知識を元に、現実を一から考え直す。金融も脳科学も何でもかんでも、彼は全て本から得た信用できる知識から自分の考えを作り出している。このスタンスに僕は凄く凄くシビレた。

 

それまでの僕は、何かかっこいい事を言っている人の事を全面的に信じて生きていた。だけど橘さんの本を読んでから、読書を通じて学問を身につけ、そこから自分の頭を捻って人生哲学を創りだすという行為に初めて気がついた。

 

僕はこの本を読んで初めて、自分の頭で考えるという事がどういうことなのかを理解したのである。実に思い出深い一冊である。読むたびに新しい感動がある。

 

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さてとここまでで4000字にもなってしまった。続きはまた今度。

 

あと残り90冊。ほんとこの連載、終わるんかいな(笑)

4万円の椅子を買ったら人生観が一変した

少し前に森博嗣作家の収支かなんかで「小説家になると決めた時、奮発して高い椅子を買った」とか書いてるのを読んで、「ふーん。やっぱ高い椅子って安いのと違っていいんかねぇ」と思ったことがあった。

 

それからしばらくして後、僕も寄る年波には勝てないのか肩と首と腰が痛むようになってきた。本とかを読んでいるだけなら全然大丈夫なんだけど、ブログという名の文章執筆作業をしているとどうも体がギシギシいってたまらない。

 

悲しいかな、実家が資産家ではないのであと40年はバリバリ働いて金を稼がねばならぬ。体は大切な資本だ。とはいえ体の事を思って趣味活動であるブログ執筆もできればやめたくない。

 

というわけで清水の舞台から飛び降りる覚悟で四万の椅子をAmazonで買ってから高須賀は滅茶苦茶に人生観が一変することになる。

 

えー四万の椅子ってこんなに座りごこち違うの~(´・ω・`)

 

 

AKRACING ゲーミングチェア NITRO BLUE 青

AKRACING ゲーミングチェア NITRO BLUE 青

 

 

 

佐川のおっちゃんが苦労して運んできたデカデカとした箱に詰められて我が家にやってきたこの椅子は、存在感からして圧倒的だ。なんつうの?ゲーセンのF1ゲームのコクピットあるやん。まんまあれ。ゲーセン世代としてはテンションめっちゃあがんのよ。

 

まあ名前もゲーミングチェアだし、たぶん似たようなもんなんだろう。普通の椅子と比べて何が違うかというと、もう全てが違うのだけど、この椅子の魅力を一言でいいあわらわすと、滅茶苦茶執筆活動をしまくっても首も腰も肩も全くといって傷まないってことだ。さすが4万。並じゃねえ。

 

やー今年ももう半分が過ぎ去りそうな勢いですが、とりあえず今年買った中で最もよい買い物の一つなのは間違いない。今ならAmazonのセールで5/31まで10%オフなのも嬉しい。や、体は資本ですからね。ベッドと椅子はいいもの使うに越したことないですわ、ほんと。

 

激務経験者から「ベッドだけはいいもの使え。全然疲労蓄積度が違うから」って言われて本当にその通りだったんですけど(前に勤めてた超ウルトラハイパー野戦病院では室の悪い寝具を使ってる奴から順に体を壊してました)ほんと文章執筆をライフワークの一環として取り入れるは、ほんと椅子だけはいいもの使え。全然疲労蓄積度が違うから。

 

やーこれはほんといい買い物だったわ。あんま商品の宣伝ブログみたいの書くの好きじゃないんだけど、あまりにも素晴らしい買い物だったので臆面もなくべた褒めしちゃいますよ。や、いい椅子のある生活って最高ですわ。

 

あと全然関係ないですけど奥さん、今年から山の日とかいう祝日が8月にできたのってご存知でした?あの地獄の8月に祝日が一日加わったって、もうほんと日本政府もたまにはやんじゃんって感じですよね。

 

ま、そんなわけでみなさんもよいブログライフを。

日本が貧しくなっていったら、僕たちは核家族を捨ててムラ社会の頃の共同体に戻るのかもしれない

これから書くことは相当悲観的に日本の未来を予想したものだ。現実はもっとうまくいくかもしれないし、ひょっとしたら想像以上に悲惨な事になるかもしれない。

 

まあ戯言程度として付き合ってほしい。

 

家族という概念の変遷

核家族という概念がある。まあ簡単にいえばクレヨンしんちゃんの野原家を思い浮かべてもらえばいい。夫婦+子供だけの形、それが核家族

 

この概念が比較的普遍的なものとなったのは日本では1920年頃だとされている。その後経済成長や人口増大もあって、1960年代頃にはこのモデルがいわゆる普通の家族の形として定着していった。

 

核家族化が進んでいった理由としては色々考えられるだろうけど、一つにはこれが最もストレスなく過ごせる家族モデルだって事が考えられるだろう。サザエさんのような複数世帯が同居するような家族モデルは、嫁・姑問題のみならず様々な人間関係の嫌な部分が生じてくる。

 

例えばサザエさんではカツオはニコニコしているけど、あんなに頻繁に波平にカミナリを落とされたら普通はグレるだろう。結局核家族っていうのは面倒くさい人間関係を極限までそぎ落とした結果の一つなのだと思う。

 

それなりに年収が高く、また平均寿命が短かった頃は、この家族形態はキチンと成立していた。祖父祖母の世代は介護が必要になる前にサクッと人生を終えてたし、子育ても妻が専業主婦になれるのならば、周りから助けを借りなくても何とかなった。だけどそれは経済成長と医学が必要以上に進歩してこなかった事の恩恵だったのである。

 

キチンと経済成長していた頃の日本

クレヨンしんちゃんの野原ひろしの設定は35歳で年収650万だ。これならば埼玉県春日部市に一軒家を構えて美しい妻を娶い、子供二人を男で一人で育てる事ができた。

 

このモデルはあの漫画が出た時の普通の家族をモデルにしたものだ。野原ひろしは全くハイスペックではなかった。

 

給料は究極的な事を言えば”生産人口が生み出す富の総和”から”非生産人口を支えるにかかる経費”を引いたものを生産人口で割ったものに平均化される。クレヨンしんちゃんが書かれたのは1990年だけど、この頃の日本は”それなりに”まだお金があって、”それなりに”支えるべき非生産人口の数が少なかった。すると普通の家庭でも平均年収650万ぐらいは手に入れる事ができた。

 

結局その後、かつてほどには成長できなくなった日本の若者の年収は半分くらいの300万程度まで下がった。”生産人口が生み出す富の総和”があまり増えず、”非生産人口を支えるにかかる経費”が増大した結果が、年収300万だ。するとどうなっただろう。

 

現在の日本

さっきも言ったけど、核家族という形態は面倒ごとを避けてきた僕たちが手に入れられたギリギリのラインだ。僕たちはサザエさんちびまる子ちゃんの頃の家族の形にはできる限り戻りたくない。できる事なら、クレヨンしんちゃんが理想だ。

 

デマこいのid:Rootportさんはその著書である『失敗したら即終了!日本の若者がとるべき生存戦略』でデータを駆使して”子供を産むか産まないかの分水嶺世帯年収500万円”だと述べた。

失敗すれば即終了! 日本の若者がとるべき生存戦略

失敗すれば即終了! 日本の若者がとるべき生存戦略

 

 

 

トイアンナさんはそのブログで最近の若者は結婚に焦っており、かつてのような結婚せずにまだまだ遊びたいという価値観は既に崩壊しつつあると分析した。

toianna.hatenablog.com

 

この二つの分析から考えると、今の日本の若者は”世帯年収500万”という”核家族をギリギリのラインで保てる”状況をなんとか保とうとしているんじゃないかという風に見えてくる。

 

クレヨンしんちゃんの野原ひろしの時代なら、普通に生きてて35歳で平均年収が650万だ。それなら30代ぐらいまで遊びたいという欲求と、核家族という社会形態を維持するという理想は両立可能だ。

 

だけど残念ながらそういう人生設計モデルは成長が乏しい今の日本では結構悲観的だ。そうなると若者は核家族というモデルと保つ為に、20代から生存戦略として結婚に焦らなくてはいけない。

 

若者一人当たりの年収が300万の今現在なら、夫婦で共働きすれば世帯年収はなんとか野原ひろし家ぐらいには到達できる。扶養排斥が受けられないし、介護費用もかかるし、保育園代もかかるしで現実はもうちょっと貧しくなるけど。まあ車も一軒家も諦めれば、なんとかギリギリ家族として生活はできるだろう。

 

けどこの家族モデルが成立しなくなったら僕たちはどうなってしまうのだろう?

 

日本の成長が鈍化してったら、家族の概念が再度変わるかもしれない

この社会形態のまま、日本がキチンと成長していって”生産人口が生み出す富の総和”がどんどん増えていくならば、たぶん僕たちは今のちょっと苦しい時代を何とか乗り越えていけるだろう。

 

だけど仮に日本があまり成長せずに、”非生産人口を支えるにかかる経費”ばかりがどんどん増大していったとしたら、世帯収入は普通に500万は割り込んでいくだろう。

 

で、どうなるか。日本は滅亡するのか。僕の予想はこうだ。たぶん家族という概念が変わる。より詳しく言えば、核家族というスタイルは一部の金持ちのものとなり、かつてのように共同体としてのムラ社会が新しい家族の形になる。

 

実は共同体としてのムラ社会の萌芽はいたるところで見られる。地方ではマイルドヤンキー的な生活スタイルが採択されているという分析はよく見かけるし、都会でもシェアハウスが一つのブームになりつつある。

 

僕たちはサザエさんの頃のように、親親戚と共同生活をおくる事は嫌だけど、友達とならなんとか共同生活ができる。それが今の若者の選択なのである。

 

新しい家族という社会形態では結婚の価値観も変わるかもしれない

若者一人当たりの収入がガンガン下がっていって300万を平気で割り込むようになったら、身を寄せ合うしかない。かつて田中ロミオは『家族計画』で全く血縁のないもの達が集い、家族を形成するという物語を描いた。あの物語は様々な問題ある人間が集まって、生存の為に『家族』を形成していた。

 

結局正規ルートではその後、主人公と一人のヒロインが結びついて子供を設け、家族を形成する事となったけど、当然というか選択肢の選びようで主人公は様々なヒロインとくっついていた。人間が集まれば、基本的には問題は複雑化する。みんなそんなに清廉潔白じゃない。

 

めぞん一刻の世界観では誰もヒロインである響子に手を出さず、五代と響子は周りの住民に囲まれつつ幸せな家族を形成する事ができた。でも現実はたぶん全ての共同体がそんなに清廉潔白にはいかないだろう。

 

五代君はいろんな女の子に手を出して、響子さんもいろんな男と関係を持つかもしれない。こういう時に結婚制度は形としては残るかもしれないけど、子供が誰の子かなのかは必要以上に求められないのかもしれない。

 

かつて遠い昔の江戸時代の頃には夜這いという文化があったというけど、割とマジな話、生き残るために共同体を形成しなくてはいけなくなったら、今のような結婚制度ならびに核家族というスタイルは機能しなくなり、まったく新しい共同体としての家族概念が形成されるかもしれない。

 

日本が今後、ガンガン成長しさえすればこんな下らない予想は永遠に訪れないだろう。けど成長できなかったら・・・僕たちはまた江戸時代の頃に逆戻りするのかもしれない。

 

今から江戸時代のムラ文化を予習しておくのも生存戦略としてはアリなのかもね。