ストレングスファインダーの本当の使い方。
ストレングスファインダーという個人の才能を測る本がある。そこでは、自分の持っていない才能はこれからは手に入れる事は出来なくて、持っている強みを発揮しなさいと説いている。
僕は初めこれを、手を広げすぎると、人間は何でもやれるぐらい器用じゃないんだし、何も成せないんだよ、という結構ネガティブな意味で捉えていたんだけど、そうでもなくいのかなと最近は思うようになった。つまり、本当にストレングスファインダーの言いたかった事は、自分で何でもかんでもやってしまうと、それは働きすぎなんだ、という事なんじゃないかなぁ。
実際の所、器用な人は才能が有り余っているので、一人で何でも出来る。苦手な分野ですら意思と努力で何とかできてしまうのがハイスペックの特徴だ。けど、それだと天才ですら個人技以上のものは出来ない。
適切に自分の役割を制限することで自分の強みを理解することができたら、今度は自分に足りない事をしっかり理解して、それが得意な仲間を見つける。そしてしっかりと分業を確立する。そうすると総合での労働時間も減るし、自分の得意なことを集中してやれる。
うまくいけばその過程で生涯の仲間も出来る。何より人が集まれば、一人の天才を超える業績をあげられるかもしれない。
そういう意味では才能は、5つでもありすぎなんだと思う。著者は本文中に順位はあんまし関係ないといっているけど、それは君に5つ道具をあげるから、この中のいくつかを使って、面白い事を考えてご覧、という事なんじゃないかなあと。
週4時間しか働かないという本に、仕事を外部に発注しろという項目があって、それは雑務は貨幣価値の違う国に投げてしまえというスタイルだったけど、どうもそういう見下した方法は好きになれない。
それよりも才能を分業化して、みんなで何かを作り上げるという作業が楽しそうじゃないですか。
例えば、人に不快な感覚を与えないで話すのが上手い人は、そういう事に専念してもらって、発想、全体の盛り上げ等、それら無理に他の人の仕事までやらないという労働スタイルを確立する。そうすれば、全体的な(その人の)労働時間も減るし、変なストレスもたまらないから、社員満足度もそれなりに見込める。
苦手の克服なんていう大変な時間も減る。
今の日本は役割の切れ目の見方が下手くそなんだと思う。人には単純作業が好きなのだって結構いるし。面白い事をポンポン出すのが好きな人もいる。
コミュニケーション能力を基礎力に見たててしまうと不幸しか産まない。話すのがニガテな人は、上手い人が代わりにやってあげる。それでいいんじゃないかと思うんだよね。
自分の強みを理解することも、自分の弱みも理解することも等しく大切だ。1人で男でもできるスーパマンを望むのではなく、キチンとお互いのいいところを活用して1+1を3にできる。
そういう風な、優しい社会が訪れる事を僕は望む。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
- 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
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