珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

予備知識ゼロのズブの初心者のための投票先選び指南方法と、あなたが選挙に行かなくてはいけない理由について

参議院選挙が近い。この時期になると、やれ選挙に行けとみんなが言うけども、実際問題どこに投票すればいいのかサッパリわからない人がほとんどだと思う。

 

このわけのわからなさに加え、自分が投票に行こうが行かまいが全く世の中の動きに関与している実感がわかないという虚無感から選挙に行かない人も結構多いと思う。以下に書くけども、選挙には絶対に行ったほうがいい。

 

今回は予備知識ゼロのズブの初心者のための投票先選び指南方法と、あなたが選挙に行かなくてはいけない理由について書いていくことにする。

 

政治家になるためには票を集めなくてはいけない

当たり前だけど、政治家になる為には選挙にて一定数以上の票を獲得しなくてはいけない。じゃあ問題は、どうやって票を獲得するかという事になる。どこぞの政治家が街を選挙カーで回るのも、農家を自分の足で一軒一軒たずねるのも、全部自分に来るであろう一票の為だ。

 

ということはだ。効率よく票を集めるためには、投票してくれるであろう人達に向けて売り込みをしなくてはいけない。となれば有権者を様々な括りで見ていく必要がある。農協が大きな組織票を持っているのなら農協に売り込みに行くし、経団連が大きな組織票を持っているのなら、経団連に売り込みに行く。

 

このくくりの中で、最も大きいのが世代差だ。当然の事ながら、高齢層と若年層とで望むべき政策は異なる。高齢層ならば、安定している福祉の充実した社会を望むだろうし、若年層は高齢者に自分の税金が多量に流れるのを嫌がるだろう。

 

さてあなたが政治家になるためには票を集めなくてはいけない事は先程確認した。ではあなたが選挙活動を行うとしたら高齢層と若年層、どちらの耳に心地よい政策を打ち出すだろうか?まっとうな感覚を持っているのなら、票を入れてくれるであろう対象者の耳に心地よい政策を唱えるだろう。

 

じゃあ大切なのは、投票者がどの層に、どれだけいるかという事になる。以下は国が発表している年代別投票行為調査結果だ。

 

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これを見ると、20代~30代の投票率が著しく低く、50代~60代の投票率が著しく高い事がわかる。となると、投票率が高い50代~60代に都合のよい政策を打ち出している人が当選率が高いであろう事は想像に難くないだろう。

 

いくら若者の事を考えてくれる政治家がいようが、当選しなかったらただの無職の人でしかない。政治家は、当選しなけりゃ何もできない。理想だけでメシが食えるほど、この世の中は甘くはない。自分を支持してくれる人がいるからこその政治家である。

 

じゃあ当然、支持してくれる人の為に活動するだろう。それが政治家ってものである(ここであなたは、それならば嘘をついて政治家になればいいじゃないかと言うかもしれない。だがそれはかなわない夢である。もし仮に当選できたとしても、当選後に嘘をついて支持者の意思に背いた活動を行ったら、任期後に再選できずに無職になるってだけだ。そんな自殺行為をするのはただの馬鹿だ)

 

確かに今回の選挙に限って言えば、あなたが投票に行くか行かないかは全く政局に影響を及ぼさないだろう。だけど、若者の投票率が著しく上昇したらどうだろう?

 

データによれば、潜在的には今の20~30代の投票率は3倍ぐらいは伸ばせる猶予がある。もし仮にだけど、今回の参議院選20~30代の投票率が90%を超えたら、どこの政党も真剣に若年層の為の政策を打ち出すことを検討せざるをえなくなる。

 

ここまできたら馬鹿でもわかると思うのだが、投票しなくちゃいけない理由は極めてシンプルだ。年代別投票行為調査結果のグラフの構成比率を変える事こそが、僕達が選挙に行かなくちゃいけない理由に他ならない。

 

よく「いい政治家がいない」なんていう人がいるが、それは僕らの世代が投票にいかないから現れないだけの話である。万人にいい政治家など存在しない。いるのは「自分にとって都合のいい」政治家だ。そういう人が生まれる土壌を育てるためにも、僕たちは投票率をあげなくてはいけない。

 

なお誰に投票すればいいかについてだが、基本的には投票にいかなくちゃいけない理由と同じ原則に則って、自分と同年代の人に投票するのがズブの素人の最適解になる。当たり前だけど政治家とはいえ人の子だから、自分の命が一番かわいい。自分の世代を悲惨な目に合わせるような政策を支持する可能性は低いと考えるべきだろう(当然というか、若年者であれ変な宗教法人がやってる普通じゃない政党には投票してはいけない)

 

つまりあなたが若年者ならば、選挙に行って出来る限り若い政治家候補に票を入れる事が非常に重要なのだ。社会が豊かならばともかく、現在のような低成長社会において、税金がどの年代にむけて配分されるかは非常に重要だ。未来の自分の利益の為にも、選挙には行こう。わりとマジに、大切なことだから。

 

<追記>

ほんの少しでも政治に興味を持ったのならば、まずは保守(個人よりも集団に重きを置く考え)とリバタリアン・リベラル(集団よりも個人に重きを置く考え)についての知識をみにつけるのが一番よい。基本的には政治はこの枠組で決まるからだ。勉強するのなら、以下の書物が一番良い。

 

 

とある人が語った「宇宙人を見つける意味」と、他人の人生録を読む事のススメ

地球外生命体についての探索に熱心に取り組んでいる人達がいる。ほとんどの人がそうだとおもうのだが、僕もかつては何十億、何兆もの大金を使って宇宙に夢を見る人達の気持ちがさっぱりわからなかった。

 

彼らは何故宇宙に過度に夢をみるのだろうか?地球外生命体探索の第一人者である鳴沢真也さんは、その理由を以下のように述べている。

 

「地球外の知的生命体に出会う事で、初めて私達地球人というものがどういうものなのかを相対的に理解することができるからである」

 

宇宙人の探し方 地球外知的生命探査の科学とロマン

宇宙人の探し方 地球外知的生命探査の科学とロマン

 

 

僕はそれまでそのような発想はなかったので、この本を読んで「なるほど。確かに自分をキチンと知る手立ての1つとして、他の生態系から来た知的生命体と会話する事は意義があることかもしれない」と随分と感心したのを覚えている。

 

ただまあ残念ながら地球外生命体は今までの歴史上では観察されていない。今日はそんなあなたに、今からできる自分の人生を相対的にみるのに役立つ、人生ウォッチのススメについて書いていこうと思う。

 

他人の人生観察は最高に面白い。それが面白い人ならばなおのことだ。

僕は他人の人生録を読むのが大好きだ。人の人生には夢がある。

 

自分の人生がどういう風になるのかについて考えるのに”比較すべき対象”は絶対に必要だ。成功者が何故成功し、失敗した人が何故失敗したのかを類推するには、事例から学ぶしかない。時代背景、その人のポテンシャル、生育環境などなど。様々なパラメータを推測しながら人の人生を分析する事は大変楽しいし、また自分の人生の指針についての参考にもなる。

 

それに付け加え、他人の人生録を読む事であなたは”他人の人生”を追体験する事もできる。あなたは孫正義にも堀江貴文にもなることは不可能だが、彼らの自伝を通じて彼らの破天荒な人生を疑似体験する事が可能だ。

 

例えば日本にはこんなにとてつもない人生を送っている人がいる。

 

①高知の片田舎で芸術家として名を成そうと一念発起して東京の美大に進学。

 

②周囲の圧倒的な才能を前に挫折。マトモな方法では勝てないと判断し、エロ雑誌に自分の漫画を売り込みに行く。そしてエロコラムの隣に1コマ漫画を書く仕事から職歴をスタート。この活動をきっかけに漫画家になる。

 

③その後、漫画のネタの為に初めた博打にどっぷりハマり込んで身を持ち崩す。そして戦場カメラマンかつアルコール依存症の旦那と出会い結婚。波乱万丈の結婚生活を送り、旦那と死別。

 

④現在は元ファンであり、その事をキッカケに知り合った日本で最も成功した美容外科医と交際中。

 

わかる人はわかるだろう。西原理恵子さんだ。

 

普通の人は絶対にこんな人生をおくれない。だけど創作物を通じて、その人の人生を追体験する事が可能だ。こんなに最高のエンターテイメント、他にはない。

 

人生ウォッチの最大のメリットはエンターテイメント性だけではなく、あなた自身について客観的にみることができる視点の獲得に他ならない。書物や映画を通じて、複数の他人の人生を追体験することで、あなたの中に人生でやるべき事が何かがぼんやりと浮かんでくるようになる。比較対象が多岐にわたればわたるほど、今度はあなた自身の事が客観的にみれるようになってくる。

 

自分自身を知るために、地球外生命体なんていう難しい存在を比較対象に用いる必要などない。私たちは他人の人生を手がかりに自分を類推する事ができる。”他人”は最高の教材である。

 

人生ウォッチのススメと、人生録執筆のススメ

この記事をきっかけに是非あなたも人生ウォッチを趣味に取り入れて欲しい。書物や映像を通じて、沢山の人の生き方に触れる事は、あなたの人生に奥行きをもたらすだろう。

 

そしてある程度読み込んだら、あなたの人生について是非記事にしてみて欲しい。普通の人の人生が読める事こそが、ブログの醍醐味だと思うからだ。

 

どんな「人生」も、味わい深いものである。

君は紫原明子という巨人の人生録を読まずに死ねるのか~家族無計画・書評~

紫原明子と聞いてピンとくる人は少ないかもしれない。まあ端的に言うと、ちょっと前に東京都知事選で泡沫候補として戦った家入一真氏の元・妻である。その方の初の書籍がつい先日出版された。

 

前から真摯なファンだった僕は発売日当日に買い、当日に読み終わったのだけど、あまりにも素晴らしい本だったので今日は書評を書くことにする。

 

家族無計画

家族無計画

 

 

 

僕が初めて明子さんの存在を知ったのは、元夫の家入一真氏の出版した人生録を読んでからだ。現在は家入氏というとインターネットの人というイメージが強いが、自伝を読めばわかるが当初はそりゃもお悲惨なスタートである。

 

ひきこもり、コミュ障、高校中退、せっかく見つけた就職先でも問題を起こして辞職・・・どう考えてもとてもこんな人が億万長者になれるはずないというスタート地点からの立身出世話は、申し訳ないけど最高のエンターテイメントだ。

 

そんな随分と個性的な家入一真氏が主人公のこの本の中で、明子さんは家入一真氏以上にユニークな存在として書かれている。高校在学中に21歳の男とインターネットを通じて出会い、半年後に同棲・結婚する女の子だなんて、ちょっと悪いけど度胸ありすぎである。

 

本を読みながら、家入一真氏以上に明子さんがどんな人か気になり、現在はインターネットでライターをしているという事を知った僕は、その後熱心に明子さんの文章を読み込むファンとなった。

 

先に紹介した家入一真氏の自伝では作者本人が書いているだけあって、家入一真氏がカッコ良く描かれている。あの本を読むと家入一真氏は、家族おもいなナイスガイだという風に読める。

 

しかしその後でこの本を読むと、物事はそう単純でもなさそうだという事が書かれていて、これまた非常に申し訳ないのだけど非常に笑える。詳しいことは本書を読んで欲しいので書かないけど、時代とお金の力は一人の人間を簡単に変えてしまうという事がよくわかり、大変興味深かった。

 

実はかつても似たような事例はあった。囲碁の伝説の名手・藤沢秀行氏は愛人4人、子供19人を持ち、アルコール依存症ギャンブル依存症を持ち、多額の借金を抱えるという昭和を感じさせる破天荒な人物であった。家入一真氏に負けず劣らず破綻した人生を歩んだものの一人だ(興味ある人はウィキペディアでも読むといい。面白いから)

 

この人の人生録は非常に面白く、度々テレビなどでも放映されていたのだけど、この方も著書の中では「家族には苦労をかけたけど、囲碁で稼いだ賞金でなんとか自分が養った」という点を度々強調されていた。まあ実際は真っ赤なウソであり、そのことを妻である藤沢モトさんに後で本の中で暴露されているのだがw

 

 

 

この藤沢秀行氏の例に限らず、破天荒な人生を送っている人は家族に迷惑はかけたが、キチンと自分が養っているという点を非常に強調する傾向があるのだけど何でなんだろう?家族をかえりみないという事を認めると本が出版できない規定でもあるのだろうか。

 

まあそんなわけで、僕はこの本を「本に書かれている事は必ずしも真実ばかりではない」という当たり前すぎる事実を学ぶという事を含めて大変な名著だと思うのだ。そういうわけで(明子さんは嫌がるかもしれないけど)やっぱり元夫・の家入一真氏の自伝とセットで読むのが味わい深いと思う。

 

なお本書には明子さんの人生録以外にも、学歴も職歴もない明子さんが家族を養うために一から仕事を獲得する生存戦略や、出産の大変さなどが非常に面白く書かれており、全体を通して非常に濃密な一冊に仕上がっている。どんな人が読んでも楽しめる事請け合いだ。

 

あと最後に・・・明子さん、本書では謙遜されているけど・・・裏では絶対モテてるでしょ(笑)

読書を趣味にすることに憧れているそこのあなた、まずは漫画から読み始めよう

フラッパーコミックスが6/23までAmazonで50%OFF+20%ポイント還元とかいうキチガイみたいなセールやってるので、それに合わせて漫画のススメを今日は書こうかと思う(下のリンクはオススメ作品集になります)

 

togetter.com

 

僕も高校生時代はそうだったんですけど、本読め本読めっていろんな人から言われるんですけど、いざ読み始めると10ページもたたないうちに集中力が途切れるような性分でした。

 

そんな読書に憧れる高校生時代。何度も何度も読書にチャレンジしたんですけど全然駄目だったので、まあまずは自分にできることから始めればいいかと思い、漫画を山のように読み漁ったんですよね。

 

当時はブックオフが出てきたって事もあり、漫画を立ち読みできる環境は少しですが整備されつつありました。とりあえず自宅近くのブックオフにある全ての漫画を読破する事を目標に、毎日毎日ブックオフに通いつめてた半年間。

 

はじめはこち亀あずまんが大王といった比較的文字数の少ない読みやすいものからはじめ、徐々に手塚治虫のような難解な漫画にチャレンジするようになって、ふと「ひょっとしてそろそろ俺、本読めるんじゃないか?」と思っていくつかの本に取り組んでみたところ、その想像は大いに当たっており、びっくりするぐらいスラスラ本が読めるようになっていました。

 

もちろん活字になれたという面もあるのでしょうけど、最も重要だったのが、活字の本を読みつつ頭のなかでイメージが簡単に想像できるようになっていたという点だと思います。脳の中に比較すべきイメージが備わってなかった時は、活字の本を読んでもいまいちイメージしにくかったものも、漫画を通じて沢山の画像を脳内にインストールすることに成功した後は恐ろしく簡単に文字を映像化できるようになっていました。

 

活字からイメージを想像できるような頭のいい人は漫画なんて読まなくて本からスタートすればいいんでしょうけど、僕のようなあまり頭のよくない人間にとって、イメージの元となる画像を漫画という媒体を通じて脳内に多数インストールできた事はこれ以上なく大切な事でした。

 

今現在でも漫画は平行して読み進めているのですけど、ほんとこの日本の漫画文化って最高に素晴らしいよな、と思います。何事も初心者向け講座みたいなものがありますが、読書における初心者向け講座はまさに漫画なわけです。そしてその漫画に非常に簡単に触れられるという日本の現状は、日本の国力の礎たるといっても過言ではないと今では思います。

 

と、いうわけでみんなも漫画メチャクチャ読もうぜ。絶対無駄にはならないから。

ケーススタディから学ぶ、日本の介護問題

A「お客様でこれからの介護問題に悩んでいる方はいらっしゃいませんか~」

 

B「あーはいはい。最近祖母がボケて来ちゃって介護について真剣に考えなくちゃいけなくなりまして。これから先、日本は前人未到の超高齢化社会になるっていうし、今後の日本の介護がどうなるのか不安で不安で」

 

A「お気持ちお察ししますう。そんなあなたにぴったりな商品がコチラッ!題して近未来・ジャパソ介護物語」

 

B「き、近未来・ジャパソ介護物語~」

 

A「それじゃあ時間がもったいないんで、サクッと始めますね」

 

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時は2xxx年。日本によく似たジャパソという国のお話。とある貧しい家庭に切実な介護問題が差し迫っていった。

 

(´・ω・`)→あら田。最高学府卒のこじらせニート。介護3年目。

( ˘ω˘)→あら田の父。

(゚∀゚)→介護省の職員。

 

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(´・ω・`)「もうとーちゃんの介護疲れたぉ。これ以上は限界だお」

 

( ˘ω˘)「あら田すまんなぁ。ワシが不甲斐ないばっかりに」

 

(´・ω・`)「TVで介護に困ったら介護省に電話しろっていってたから、電話してみるか」

 

とぅるるるるるる

 

(゚∀゚)「はい。もしもし、こちらドッピ・・・ゴホッ、ゴホッ。間違えた。介護省です」

 

(´・ω・`)「もう介護やりたくねーお。施設に入れてくれお」

 

(゚∀゚)「それでは2つのプランがございますので、見学後にお選びください」

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プランA

(゚∀゚)「こちらがプランAになります。この施設の名前は通称ハイパーUNCOクリエイター。こちらは2016年頃、ジャパソでよく行われていた介護とほぼ同様の内容になります」

 

(´・ω・`)「くたびれたヨダレを垂らした老人とか、車いすに座ってムニャムニャ言ってるのとかいる。あとすげえ臭え」

 

(゚∀゚)「こちらは完全介護主義でして、24時間介護士がつきっきりで介護にあたってくれます。入浴、食事、排泄といった生活上での諸問題ならびに病気になったらすぐに病院につれてってくれるサービス付きです」

 

(´・ω・`)「他人事としてみれば、なんか貴重な資金や労力を使ってウンコを生み出す無意味な施設としか言いようがないなぁ。ウンコマニアが至高のウンコを生み出す事に価値を見出すならともかく、普通はこんな事業に何の意味も見いだせないわ。

 

(´・ω・`)「こんなウンコ製造施設に税金を多額に投与したから、今のジャパソは貧しくなっちゃったのかもしれないと思うと涙が出てくる。けど自分の家族をいざ入れるとなると、これぐらいのサービスはして欲しいよなぁ」

 

(゚∀゚)「こちらになさいますか?それでは入所金としてまずは3000万円。その後、月々25万円の支払いが必要となります」

 

(´・ω・`)「3000万円!?んな金ねーよ。ってか月々の25万も逆立ちしても無理だよ」

 

(゚∀゚)「それではプランBを見に行くとしましょう」

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プランB

 

ゴゴゴゴ・・・

 

(´・ω・`)「なんか正門にこの門をくぐる者は一切の希望を捨てよって書いてあるけど、ここ大丈夫なのか・・・それとさっきと比べ物にならないぐらい臭い・・・」

 

(゚∀゚)「おまたせ致しました。こちらがプランBの通称・UBA-SUTE-YAMAになります」

 

(-_-)「はい、どいたどいたー。3体焼却炉息だよー」

 

(´・ω・`)「なんかドロドロになった人間みたいなのが外に運ばれてきたぞ・・・」

 

(゚∀゚)「先ほどのプランAのハイパーUNCOクリエイターが完全介護主義だとしたら、こちらのプランBのUBA-SUTE-YAMAは完全放置主義です。当施設は先程の(-_-)が一人で経営しておりまして、彼は 全く 何も しません

 

(´・ω・`)「全く何もしないって、この施設なんの為にあるんだよ」

 

(゚∀゚)「皆様、情とかナサケとかで介護をするから苦しむのです。そんなウンコ製造機でしかない非生産人口を多大なる労力と金を使って生きながらえさせるのは、贅沢品であるというのがジャパソ政府の公式会見でございます」

 

(´・ω・`)「・・・」

 

(゚∀゚)「だけどみなさま、自分の手を汚すのだけは嫌がるのですね。だからジャパソ政府が皆様の手を汚さず、ウンコ製造機をあの世へ導くための施設を作ったのです」

 

(´・ω・`)「・・・そこまでするのなら安楽死させる方がまだマシなんじゃないか・・・」

 

(゚∀゚)「安楽死は殺人です。じゃああなたは彼→(-_-)に手を汚せと。まったくわかってないですね。このUBA-STE-YAMAに入所した人は、勝手に死ぬのです。いっておきますが、ここには食べ物もあるしトイレもベットもあります。だけど誰も介助はしてくれません。つまり入所者は自分の力では生活できないから、勝手に自死するのです」

 

(´・ω・`)「・・・」

 

(゚∀゚)「人間、人の手を借りなくちゃ生きれないのなら、それは一つの寿命だとは思いませんか?あら田様」

 

(´・ω・`)「そう・・・かもしれない。けど・・・僕はどちらの道も選べない」

 

(゚∀゚)「左葉ですか。考える時間はたっぷりとあります。家に帰ってよく考えてください。それと僭越ですがあら田様。ジャパソは一人でも多くの方に税金をおさめて頂きたいのです。介護から早々に開放された後は、当局が責任持って仕事を斡旋しますので、早々とニートを卒業なさってください」

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(´・ω・`)「俺が・・・とーちゃんを・・・どうにかしないと」

 

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それから3年後。

 

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(゚∀゚)「久しぶりですあら田様。意外と長くかかりましたが、ようやく決心がつきましたか」

 

(´・ω・`)「介護省のお兄さん。あんた達はよくやってるよ。けれどオイラにはどちらの選択肢も選べないから、第三の選択肢を創りだした」

 

(゚∀゚)「これは・・・」

 

(´・ω・`)「名づけて完全介護カプセル。とーちゃんはこの中で何不自由なく眠っている。まるで母親の胎内にいるかのごとく、このカプセルに入れさえすれば死ぬまで夢ごごちのまま何一つ苦しむことなく寿命を全うできる」

 

(゚∀゚)「しかしあら田様、このカプセルはプランAのネオUNCOクリエイターと本質的には殆ど変わりないのでは?使う労力が人と金から、莫大な電力に切り替わっただけかと・・・」

 

(´・ω・`)「その心配はいらない。水素電池と人体の体温で運転しているから基本的にはエネルギーは問題にならない。むしろ発電作用すらある」

 

(゚∀゚)「あら田様・・・ただの最高学府卒のクソニートじゃなかったのですね・・・」

 

(´・ω・`)「もちろんこのカプセルに入るって事は、それなりに覚悟のいる事だとは思う。基本的に一度入ったら二度と出れない。だけどジャパソの作ったUBA-SUTE-YAMAに入るぐらいなら、こっちの方が100倍マシだって人がたくさんいるはずだ」

 

(゚∀゚)「・・・」

 

(´・ω・`)「それに見てくれよ。この顔」

 

( ˘ω˘)

 

(´・ω・`)「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。生きてるんだぜ。それで。」

 

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A「いかがでしたか?」

 

B「いや・・・これからの日本の介護問題、どうなんだろうって心配になったわ」

 

A「んー。まあ基本的には完全介護型のプランAは早々に倒壊するでしょうねえ。」

 

B「じゃあB・・・完全放置型の未来も近いのかなぁ」

 

A「全く同じとはいかないかもしれませんが、近いのはありえるかもしれませんね。いいですか。このお話で大切なのは、現状のプランAは持続可能な部分が全く無いという事と、プランBは一見非道に見えつつも人間の寿命をキチンと考えた時、自死という概念もまた大切だって事なの。」

 

B「自死・・・」

 

A「歴史が始まって以来、人間の死亡率は常に100%なの。就活ならぬ終活も、しっかりと心に止めておかないとね。そうする事ができれば、自分の意志でプランCを選んで、誰の手も煩わせる事のない未来がくるかもしれない。」

 

B「そっか。私、自分の命の終わらせ方って考えた事ありませんでした。Aさん今日はありがとう。

 

A「いえいえ。どういたしまして」

 

B「ところでなんでこんな所で介護の啓蒙活動を?」

 

A「それはね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

Σ(;゚ω゚ノ)ノ

 

 

 

 

 

 

 

時空警察┏┫ ̄皿 ̄┣┛「探しましたよ・・・A・・・。あなたを時空法9条【過去の歴史上の人物に故意に接触し、歴史を変える可能性のある情報を伝える事】違反で逮捕します」

 

B「はぁ?どういう事?」

 

A「B・・・実は私はタイムマシーンにのって100年後の日本からやってきた未来人なの。あなたがプランCの元となる技術を創りだしてすぐ、Gxxgleの開発した人工知能の悪だくみによって、ほぼ全ての人類はカプセルの中に入れられてしまうの。」

 

B「はぁっ!?あれ作り話じゃなかったの!?」

 

A「私はその未来を止めに来た。プランCが人工知能に悪用されないような明るい未来の為にっ」

 

時空警察┏┫ ̄皿 ̄┣┛「何を話している。こっちにコイ」

 

A「B・・・逃げるわよっ」

 

B「(´・ω・`)ヒィィ

 

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Next story...

 

珈琲をゴクゴク飲むように The movie 

 

2017年冬 公開予定

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(未完)

脅威のウェブメディア、Books&Appsについて

まずはご報告を。先月からBooks&Appsさんで週一ぐらいをペースに連載記事を書かせていただいております。以下に今まで書いた記事が載ってます。

 

高須賀 | Books&Apps

 

一応一ヶ月続いたので、まあこれからも続けられるだろうと思ったのでこのブログでも告知する事にしました。あちらの記事も読んでいただけるとありがたいです。

 

実は今までも何回かライターの仕事を依頼された事はあったのですが色々あって全て断っていました。それが今回なんで引き受けることになったかといいますと、Books&Appsさんの経営理念が随分と面白かったからという事になります。

 

まあお仕事頂いてる手前もありますので、以下Books&Appsさんがどれだけぶっ飛んでるのかについて書いていこうと思います。

 

一ヶ月ぐらい前の某日、編集長の安達さんに誘われて、一人じゃ絶対に行かないような高いコーヒー(一杯1500円)を出す店に呼び出された僕は、正直この恐ろしい原稿依頼をしてくるのがどんな人なのか興味津々であった(以下が公式サイトに載ってる著者の写真)

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だいぶ脚色を加えて、実際に合うまでに行われたメールでのやり取りを書くとこうなる。

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安達さん「高須賀さん。うちで原稿書きませんか?」

 

高須賀「どういうのをご所望ですか?」

 

安達さん「あ、うち自由なんで。特定個人を名指して攻撃しない記事なら、何でもオッケーです」

 

高須賀「はぁ!?なんでもいいんですか?」

 

安達さん「なんでもいいです。ていうか高須賀さんが自分で決めてください。原稿料もそっちで決めていいです。できる限り善処しますから。あと締め切りとかも全くないんで。書きたい時に書いて、書き終わったら好きなだけ送ってください。基本全部採用しますから」

 

高須賀「はぁ!?!?」

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どうです?やばいでしょ。ちなみにこの話を知り合いのライターに相談したら、全員が全員絶対そこ絶対ヤバイって、というアドバイスを僕にくれたことをコッソリ報告しておきます(実際は大変仕事しやすい素晴らしい環境です)

 

実はと言うか、仕事の依頼をもらうまで、Books&Appsさんの事は全く知らなかったんですよ(すみません・・・)仕事を依頼されて初めてサイトの存在を知ったので、とりあえずはてなの隅っこにいる末端ブロガーに仕事持ってくる会社がどんな所か気になって見に行ってみて衝撃を受けたんですよ。

 

何が凄いって?まずPV数が桁違いにヤバい。例えばこのサイト一番人気のこの記事のPV数は120万である。

 

blog.tinect.jp

 

ちなみにこのブログは普通に更新すると500ぐらい、そこそこバズってヒットしても5000ぐらいである。一番読まれたので5万位かなぁ。あ、あのー。仕事頼む相手間違えてませんかね・・・

 

とりあえず幾つかの代表的な記事と安達さんの出している本(面白かった)を読んだ上で、会合の地である、自分では絶対に行かないメチャクチャおしゃれなカフェに出かける事になりました。

 

「仕事ができるやつ」になる最短の道

「仕事ができるやつ」になる最短の道

 

 

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安達さん「どうも高須賀さん。うちで執筆いただけるようでありがとうございます」

 

高須賀「いやこちらこそ。ていうかあんな適当な感じの仕事依頼でいいんですか?」

 

安達さん「いいんです。っていうか今のSEO対策とかそういうのを目的にしてPV稼ぎを狙ったウェブメディアに未来はないと思ってますから。面白い記事書いてくれれば、それで十分です。締め切りも、前は設定していた事もあったんですけど、それすると記事のクオリティが経験上、高まらない事がよくわかったので設定してません」

 

高須賀「仰ること全てに心の底から賛同しますが、それで採算取れるんですか?」

 

安達さん「余裕です」

 

高須賀「ひょえー(´・ω・`)」

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いや最後の方はだいぶ脚色があるんだけど、僕もまあ全く同じことは思ってはいましたよ。量産型ブロガーだかなんだか知らないけど、くっそツマラナイ記事をネットの海に流しまくる人達がガンガンはてぶのトップとかに出てくるのをみながら「いやそんなクソつまらん記事書いてて何が楽しいの?ていうかこれ読んでる人も、こんなのが面白いと思ってるの?」ってワイン片手に量産型ブロガーへのアンチテーゼとして運営されているのがこのブログですから。

 

ただまあその結果が一記事書いて500PVという冷徹なまでの結果なわけで。まあ個人的には面白いモノ書いてるつもりではいますけど、正直数値は稼げないだろうなぁって思ってましたし、数値稼げないから仕事にもなりようがないだろうなぁとは思ってました。まあブログなんて所詮余暇だから、自分が楽しければそれでいいかなーって感じではあったんですよね。

 

そんな中で安達さんの野望はとんでもねえものだと思うんですよ。まあ考えてみれば、週刊少年ジャンプとかを筆頭とした紙媒体なんてそもそもSEO対策だなんて出来ないわけですから「面白いか否か」以外に人を呼ぶ要素が全くないんですよね。

 

そういう事から考えれば、ジャンプみたいに「面白い事」だけで人を呼び寄せるウェブメディアを作り上げるって野望はメチャクチャ理にかなっているっていうのはわかるんですけど、それをリアルに実現しようとしているってすげぇ事だと思うんですよね。

 

かつてはブロゴスやニュースピック等が頑張って到達しようとしたけどできなかったのがウェブメディアの少年ジャンプ化なわけですから。いや本人に直接「ジャンプ目指してるんですか?」って聞いたわけじゃないからなんとも言えないですけど。

 

そんなわけで、しばらくの間は面白くて為になる記事を週一を目安に寄稿し続けようと思っております。あ、Books&Appsさんはライター募集しているみたいですから、興味ある人は応募してみてはどうですかね?応募しても採用されるのかどうかはわかりませんが、とっても面白くて働きやすい仕事先であるのは太鼓判を押しちゃいますよっと。

 

blog.tinect.jp

あなたの核を作るための読書案内。高須賀が選ぶこの100冊 NO.6~NO.10

この記事の続きです。残り95冊。

takasuka-toki.hatenablog.com

 

活字中毒気味な今では考えられないけども、高校生ぐらいの頃は本を読むのがひたすら苦痛だった。とはいえ読書という行為に憧れはあったので、自分が読めるレベルの本からスタートする事にした。それがライトノベルやミステリーといったジャンルであった。

 

僕の読書遍歴は漫画→ライトノベル→ミステリー→自己啓発→受験参考書→ビジネス書→自伝→自然科学系→オールジャンルって感じだ。この順番に難易度がガンガン上がっていく。

 

ドラクエでもはじめはスライムを倒すことから始まる。読書も優しいものからスタートすれば、自然といつかは難解なものも読めるようになる。

 

さて前置きが長くなった。今回はみんな大好き、自己啓発本である。

 

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

思考は現実化する―アクション・マニュアル、索引つき

 

 

ナポレオン・ヒルの名著である。実をいうとこの本自体は読んだことがなくて、当時売っていたマニアックな会社が販売していた速聴CDしか聞いていない。

 

とはいえなんでこの本をここに持ってきたかというと、この「思考は現実化する」が僕の一大哲学だからだ。僕は今までの人生経験上「こうなりたい」という思いを抱いて生きていて、それが実現化しなかった事はほとんどない。

 

毎日毎日「なりたい自分」の姿を夢想しつづけるだけで、大体においてそれは何年か後に実現化する。もちろん努力もするんだけど、大切なのは自分がその夢を手に入れたいという気持ちをずっと持ち続ける事だ。

 

僕はこれで医大に合格したし、彼女もできた。最近だと執筆依頼が来たりと、まあ大体夢は実現している。今はとりあえず大金持ちになる事を夢想して生きている。

 

思考は現実化する。想像力も、意外と馬鹿にならない。

 

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再受験生が教える医学部最短攻略法 2015年版 (YELL books)

再受験生が教える医学部最短攻略法 2015年版 (YELL books)

 

 

たぶん人生で最も多く繰り返し読み込んだ本である(僕が読んだのは受験生当時のバージョンだけど)

 

当時とある進学校にいた僕は、身の回りにいる連中の一部に、少ない勉強時間にもかかわらず定期試験で高得点を叩き出している連中がいるという事実に気がついていた。

 

かけてる時間が少ないのに高得点を叩き出しているのだから、方法論自体が優れているに違いない。そう思った僕は書店で受験勉強法の本を読み漁った。和田秀樹、福井一成と有名どころを辿った後に見つけ出したのが荒川英輔氏のこの本だった。

 

はっきり言って革新的だった。和田・福井の方法論が頭がいい人が書いたあさっての方向を向いたわけのわからない受験勉強本だったのに対して、荒川の方法論はかなり凡人にも理解可能な範疇のものだった。

 

ものすごく、ものすごく読みこんだ。まるで敬虔なイスラム教徒がコーランを何度も何度も読み込み、正しい生き方とは何かを学び取ろうとするかのごとく、僕は正しい受験勉強という道を歩む為に、受験勉強そっちのけでこの本を読み込んだ。本末転倒である。

 

今考えれば、正しい受験勉強法なんていうのは極めて些細な事で、大切なのは当たり前だけど受験勉強自体をキチンとする事だ。偏差値は、勉強時間に比例する。受験勉強方法論を読んでも全く頭はよくならない。

 

これは本当に本当に大切な事なのでこれを読んでいる受験生の人がいたら、心に止めておいて欲しい。もう一つだけ付け加えるとすると、絶対に初めから難解な参考書を使わないこと。基礎の徹底だけで東大にも入れる。

 

それと初期段階では大手予備校の有名講師の基礎的な授業にキチンと通うこと。予備校は頭のいい連中には必要ないかもしれないが、バカには極めて大切だ。

 

 

どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法

どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法

 

 

荒川の本の原本となったという本。荒川が上の本で大絶賛していたという事もあり、荒川信者は大体読んでいるはずだ。

 

内容は極めて合理的な受験勉強のための方法論である。これもメチャクチャ読み込んだ。正しい方法で受験勉強すれば、人より少ない労力で偏差値を上げることができるという幻想に囚われていた僕は、偏差値が上がらない理由を方法論が間違っているからだと思い込んでいた。実に愚かである。さっさと勉強すればよかったのに。

 

この本の著者、井藤さんは結構クセのある人で、本の中に色々な人生哲学やオススメ本を散りばめてくれていた。当時信者と化していた僕は、当然というかそれらのオススメ本も買って読んだ。

 

この当時はAmazonはまだ一般的ではなかったので、新宿・紀伊国屋とかの大型書店に出かけて書店員にリストを渡して本を探していた。今では紙の本は新品で買うことなんてほとんどない。隔世の感である。

 

この本に書いてる事自体は、正直訳に立たなかったけど(笑)ただまあ文字を読む良い訓練になったし、著者のような読書家になりたいという憧れを持つ事ができたのは大変よかった事だと思う。本書をきっかけとして、僕は道元ウィトゲンシュタインキリスト教などといった多数の面白い分野の本に手を伸ばす事となった。思い出深い一冊だ。

 

なお井藤さんの本はいくつか既に絶版だが、読み物としても大変おもしろいものが多いので、全て買って読むといいと思う。特に仕事力を高めるダイヤモンドルールは非常にいい本だった。なんで売れなかったんだろうこれ?

 

井藤式 仕事力を高めるダイヤモンドルール

井藤式 仕事力を高めるダイヤモンドルール

 

 

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

 

 

その後、なんとか医大に入ることができた僕は、素晴らしい空気の読めなさも相まって大学で孤立していた。凄く寂しかったのは今でも覚えている。

 

西原理恵子さんの本は、どこかの部屋に置いてあった毎日かあさんが初めて出会ったきっかけだったと思う。お世辞にも読みやすいとは思えないその漫画に何故か惹きつけられた僕は、その後まあじゃんほうろうきに魂を打ち砕かれ、そして作者の人生哲学である本書を読むこととなった。

 

初めてこの世でいちばん大事なカネの話を読んだとき、文字通り感動に打ち震えた。最近ではお金の話をキチンとする本も結構見かけるようになったけど、この頃はそんな本は殆ど無かったと記憶している(僕が知らなかっただけかもだけど)

 

 「貧乏は病気だ。それも、どうあがいても治らない、不治の病だ」

 

この一節を読んだ時、不思議と涙が止まらなかったのを今でも覚えている。僕は比較的裕福な家に育ったが、両親がひどくお金の話題を嫌っており、家庭内で全くお金の話を聞くことができなかった。

 

でもお金が生きていくうえで、本当に本当に大切なものだという事は幼心になんとなくはわかっていた。だけどムズカシイ経済学の教科書を読んでもリアルなお金についての大切さは全くわからない。その大切なお金の話を誰にでもわかりやすい形で初めて教えてくれたのがこの本だった。

 

今読んでも色あせない、素晴らしい名著だ。

 

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この本に出会ったのは偶然だった。たまたま書店で山積みされていた本書を読んで、おろしい情報量の密度に圧倒され、そのまま買って帰ったのを今でも覚えている。

 

その後から僕は一貫して橘さんのファンである。この間は講演会にも出かけてきた。現実の橘さんは想像していたよりかなり普通だった(けど発言内容はすざましかった。あんなに面白い講演会は生まれて初めてだ)

 

本書のテーマは極めて強烈だ。

 

貧困、格差、孤独死うつ病、自殺…世界はとてつもなく残酷だ。それに抗えとばかりに自己啓発書や人格改造セミナーは「努力すればできる。夢は叶う」と鼓舞する。が、奇跡は起こらない。生まれ持った「わたし」が変わらないからだ。しかし絶望は無用。生き延びる方法は確実にある。さあ、その秘密を解き明かす進化と幸福をめぐる旅に出よう!

 

当時自己啓発にはまっていた僕は、のっけから自己啓発を否定するこの論調に一気に引き込まれた。そしてNO.6で紹介した「思考は現実化する」を翻訳した田中氏がメチャクチャな人生を送っている事をこの本を読んで初めて知り、自己啓発で人間は変われないのだという事実に酷く驚いた。

 

橘さんのスタンスは極めて冷酷だ。キチンとした学問的知識を元に、現実を一から考え直す。金融も脳科学も何でもかんでも、彼は全て本から得た信用できる知識から自分の考えを作り出している。このスタンスに僕は凄く凄くシビレた。

 

それまでの僕は、何かかっこいい事を言っている人の事を全面的に信じて生きていた。だけど橘さんの本を読んでから、読書を通じて学問を身につけ、そこから自分の頭を捻って人生哲学を創りだすという行為に初めて気がついた。

 

僕はこの本を読んで初めて、自分の頭で考えるという事がどういうことなのかを理解したのである。実に思い出深い一冊である。読むたびに新しい感動がある。

 

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さてとここまでで4000字にもなってしまった。続きはまた今度。

 

あと残り90冊。ほんとこの連載、終わるんかいな(笑)