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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

グローバルエリートの告白。彼の結婚条件

「専業主婦なんて人間扱いしない。あんなもん、ペットみたいなもんじゃないか」

 

僕の友人Aはこういった。

 

「俺の中での人間の定義は、自立している事だ。自分の力で生けないような存在や、金持ちだからってたかってくるような連中は、自分がいかに恥ずかしい事をしているかわかっていない。これは"私はあなたより下でございます"っていう公開宣言に等しいと俺は思うね」

 

「"健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?"って結婚式で宣言するだろ?俺はさ、自分の力で生きていけないような連中にこれができるとは思えないんだよ。そういうお互いに対する権利を果たせないような存在なんて、ただのペットと何が違うんだい」

 

僕は黙って話を聞く。彼は続ける。

 

「浮気や愛人なんかも高級ペットみたいなもんだね。お金は出すけど責任なんて全然負うつもりもないからあんな事ができるんだろう。」

 

「もちろん人間としての正妻をもっている人がこういうのを飼うのは、妻に対する不義になると思うけど、専業主婦みたいなペットとしての存在が伴侶なら、そいつがいくらペットを増やしてもかまわんと俺は思うけどな。まあ時々、手を噛まれるリスクぐらいは考えておくべきだと思うけど」

 

彼は続ける。

 

「そりゃ出産とか、何らかのイベントがあったときはお互い支えあうべきだとは思うよ。他にも何らかの不幸があって、もともと"自分の力で生きていける"奴が、"自分の力で生きていけなく"なった場合は、もちろんというか人として人間として支えていくさ。俺だって生涯の伴侶に対しては、そういうアクシデントリスクを込みで結婚を申し込む。病める時も健やかなる時も、ってそういう事だと俺は思う」

 

「資本主義は金というパワーを奪い合うゲームだ。このルールがいいにしろ悪いにしろ、こういった社会で生きていけない弱い存在は、肩を寄せあって複数人で暮らしていくか、国に保護を頼むしかない。そういう存在はさ、こういう存在同士でつるみ合ってればいいんだよ。」

 

彼はさらに続ける。

 

「若さやら美貌やらの何らかの消費的な価値を切り売りしていい思いをしている男女がさ、"俺は自分で自立している人間だ"ってドヤ顔をしているのを見ると笑っちまうよな。金持ち連中は誰もあいつらなんて人として扱ってないよ。あんなの子犬と同じで、旬が過ぎたらどこかへ追いやれる存在でしか無いのさ」

 

僕は何かを言おうと思うのだが、うまく言葉がでない。

 

「おまたせー。仕事が長引いちゃって。待った?」

 

「いや俺達もいま来たところだよ。」

 

その女性はアルマーニのスーツをかっちり決め、シャネルのバッグを持ち、高いヒールを上手く履こなしていた。そのモデルのような出で立ちも相まって、店の周りが騒然とする。

 

女性は何も言わずにAの隣へと腰掛ける。

 

「また馬鹿な話してたんでしょ。あんたたちも飽きないね。」

 

「まあね。そんな事はいいからとりあえずシャンパンでも開けようぜ。ジャック・セロスでいい?」

 

僕らは頷く。僕は態度で頷きを作りつつ、先の話のどこに頷けないのかを考えつつ。