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【改訂】3分で読める【名著】銃・病原菌・鉄~何故ヨーロッパ人が世界を征服できたのか~

これから

銃・病原菌・鉄... http://t.co/jtkAZ3GN

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の大雑把な内容を書いていきます。この本、有名ですが、ページ数が多くそして値段が高いという事で躊躇している方も多いと思います。僕としてはこのtweetを読んで興味をもってくれる人が一人でも増えてくれると嬉しいです

 この本は著者があるニューギニア人に受けた

「あなたがた白人は、沢山のものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私達ニューギニア人には自分のものといえるものがほとんどない。それは何故だろうか?」

という質問に対する回答、という形で構成されています。

この質問に対する回答として著者は、白人の遺伝子が優れているからなどという短絡的な回答をせず、たまたま他と比べて白人の住む環境が優れていたからである、と答えています。そして白人が他世界を征服する際に、最も破壊的な影響を与えたものが、題名に出てくる銃・病原菌・鉄、だと考察しています。

人類が初めて誕生したのは今からおよそ一万三千年前と考えられていますが、その後発祥の地であるアフリカから全世界へと長い時間をかけて人類は世界各地へと散らばっていきます。その後各々の民族が長い時間をかけて独自の文明を発達させていきます。

その際に、ユーラシア大陸 に住む人々にはいくつかの素晴らしい利点がありました。

1,栽培できる食物の質が高かった。

2,家畜化するのに向いている動物が回りにいた。

3,横長の大陸であった(緯度に大きな差がない)

まず1,栽培できる食物の質が高かった。ですが、その前に何故人類は狩猟から農耕へと流れていったかを簡単に説明します。初期の人類は当然の事ながら狩猟民族であったわけですが、狩猟民族は安定した食べ物の確保が難しく、当然の事ながら部族の数を増やすという点においてあまり效率がよくありません

なので食べ物の確保に追われなくてすむように農耕の道へと人類がたどり着いた事はある意味必然であり、また前述したように農耕民族は数が増えていきますので、狩猟民族との衝突が生じた際に、力の点で優位な立場となるわけです。なので自然と狩猟民族は減っていき、農耕民族の社会となっていきます。

その際、各地で栽培できる食物の1,栽培のしやすさ、2,栄養価の高さ、がユーラシアの一部地区にて優れており、またその穀物等を栽培する環境にも恵まれていました。 現代社会を考えてみればわかりますが、植物の数は膨大ですが、こと栽培地、食用に提供されている食物の数となるとかなり限定的です

そしてここで狩猟民族時代には思わぬ事が起きます。人口と家畜の密度が上がるにつれて、その民族の間である種の疫病が流行り出します。短期的に見るとこれは災害ともいえる出来事ですが、長期的な目で見ると驚くような利点を特定民族へともたらしました。

それは免疫です。ご存知天然痘、おたふく風邪などは一度かかると次からはかかりません。他の地区(アメリカとか)の民族を攻めこむ際に、この病原菌が想像以上に強い威力を発揮した、と著者は考察しています(題名の一つ目が出ましね) この疫病、神の御加護とかに利用されたんだろうなあ・・・

まあ攻めこむのはまだ随分と先の事なのですけども。続いて3,横長の大陸であった(緯度に大きな差がない)の解説へいきます。食物の時給が出来るようになった人類は、暇!が生まれたため文明をどんどんと発展させていきます。初期のものでいえば土器であったり、高度なものとなると文字などがあります

この発明ですが、当然の事ながら何が生まれるかは運によって左右されます。著者の観察によると、人間の発明は何かを作ろうと思って便利なものができるというわけではなく、たまたま偶然出来上がったものを、何に使えるか色々な人がアイディアを出しあって、結果面白いものが出来る事とのことです。

例えば何処かで火災が起きて、収まった後にたまたま硬い土ができていた→土器の発明へと繋がる。などです。他にも最近の例ですとエジソンの発明した蓄音機は初めは録音機として作られたそうですが、これが結果として音楽の録音再生機の始まりとなったそうです。この話は現代でも参考になりますね。

発明されるものは比較的どこでも生じやすいものもあれば、かなり発明されにくいものもありました(書き言葉が最難関の一つ)当然の事ながらこういった発明品はどこかの民族が全てを創り上げる必要はなく、学んで自民族へと組み込んでいけばそれだけ文明の発達は加速していきます。

この発明品の各地への流れやすさに3,横長の大陸であった(緯度に大きな差がない)が大きく作用します。どういうことかというと、ユーラシア大陸は緯度が同じ地区が長く続くため、広い地域間にて気温の差があまりまりません。日本でも北海道と沖縄、東京と福岡あたりを比べればわかりやすいと思います

現代はともかく、昔はまだ人は暑さ寒さを克服しきれていなかったため、大陸間の移動の際に大きな気候変動があればそれだけで死のリスクが高まります。偶然にもそれが少なかったユーラシアは文明の相互発達がどんどん加速していった事が推測され、その結果鉄・そして銃を素早く生むことに成功します。

そうして完成した強力な文明の利器をもって白人たちはアメリカ先住民族や他地区を征服、植民地化する事に成功した、というわけです。大雑把に本著の流れを書きましたが、単純に特定民族の遺伝的優位性なんていう極論に走らず、自分の知識でここまで人類発達の考察をなすことの出来た著者はすざまじい

一応大雑把な要約はここまでです(本文はもっと緻密で深い考察がなされています。興味ある方は是非手にとってください→ http://t.co/jtkAZ3GN ) ここから少し、人種別発達を考察する際に皆が考えがちな事に対する著者の説明を書き加えていきます。

未開の地区の人はヨーロッパ系白人等の白人より遺伝子が劣っているので征服された。 反論→先進国の人たちは生存力が低くても社会的インフラが整っているので質の良くない遺伝子でも残せる。しかしニューギニア等の部族の人たちは優秀でない=即死という環境で生きているので優秀な遺伝子しか残せない

未開の地区にはエジソンのような大天才が現れない。だから白人の方が遺伝的に優れている。 反論→エジソンは確かに天才だが、それはあくまで才能をきちんと発揮する場所に恵まれていて、その結果が僕達に凄く見えるだけである。未開の地区の大天才はその環境で、存分に才能を振るっている。

寒い地区に住む人達と違って温かい地区に住む人達は怠けやすいので結果、征服された。 反論→そもそも寒い地区は農耕などの人が増えやすい環境には適していない。他にも温かい地区に住んでいるため余裕が出来る→新しい物事を開発する余裕が生まれる、といった考えも出来る。

何故同じような環境に恵まれてた中国が世界の覇権を握れなかったのか。 回答→中国はある時期まではヨーロッパ諸国を超える文明を開発していたのだが、ある時期から自国の統一のみにエネルギーを費やし他国との交流を絶ってしまった。また海外渡航も制限してしまったので他地区の制覇も行われなかった

最後の話はなんか耳が痛いですねwよし留学しよう!おしまい!ありがとうございました。

追記

@L_starさんに、筆者は「最も破壊的な影響を与えたものが、銃・病原菌・鉄と考察し」てはいなく、「銃・病原菌・鉄の影響は周知だが、じゃあなぜ白人だけがそれを持てたのか?」を考察しています。

という御指摘をいただきました。

その通りですので追記させて頂きます。