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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

君は紫原明子という巨人の人生録を読まずに死ねるのか~家族無計画・書評~

オススメ本

紫原明子と聞いてピンとくる人は少ないかもしれない。まあ端的に言うと、ちょっと前に東京都知事選で泡沫候補として戦った家入一真氏の元・妻である。その方の初の書籍がつい先日出版された。

 

前から真摯なファンだった僕は発売日当日に買い、当日に読み終わったのだけど、あまりにも素晴らしい本だったので今日は書評を書くことにする。

 

家族無計画

家族無計画

 

 

 

僕が初めて明子さんの存在を知ったのは、元夫の家入一真氏の出版した人生録を読んでからだ。現在は家入氏というとインターネットの人というイメージが強いが、自伝を読めばわかるが当初はそりゃもお悲惨なスタートである。

 

ひきこもり、コミュ障、高校中退、せっかく見つけた就職先でも問題を起こして辞職・・・どう考えてもとてもこんな人が億万長者になれるはずないというスタート地点からの立身出世話は、申し訳ないけど最高のエンターテイメントだ。

 

そんな随分と個性的な家入一真氏が主人公のこの本の中で、明子さんは家入一真氏以上にユニークな存在として書かれている。高校在学中に21歳の男とインターネットを通じて出会い、半年後に同棲・結婚する女の子だなんて、ちょっと悪いけど度胸ありすぎである。

 

本を読みながら、家入一真氏以上に明子さんがどんな人か気になり、現在はインターネットでライターをしているという事を知った僕は、その後熱心に明子さんの文章を読み込むファンとなった。

 

先に紹介した家入一真氏の自伝では作者本人が書いているだけあって、家入一真氏がカッコ良く描かれている。あの本を読むと家入一真氏は、家族おもいなナイスガイだという風に読める。

 

しかしその後でこの本を読むと、物事はそう単純でもなさそうだという事が書かれていて、これまた非常に申し訳ないのだけど非常に笑える。詳しいことは本書を読んで欲しいので書かないけど、時代とお金の力は一人の人間を簡単に変えてしまうという事がよくわかり、大変興味深かった。

 

実はかつても似たような事例はあった。囲碁の伝説の名手・藤沢秀行氏は愛人4人、子供19人を持ち、アルコール依存症ギャンブル依存症を持ち、多額の借金を抱えるという昭和を感じさせる破天荒な人物であった。家入一真氏に負けず劣らず破綻した人生を歩んだものの一人だ(興味ある人はウィキペディアでも読むといい。面白いから)

 

この人の人生録は非常に面白く、度々テレビなどでも放映されていたのだけど、この方も著書の中では「家族には苦労をかけたけど、囲碁で稼いだ賞金でなんとか自分が養った」という点を度々強調されていた。まあ実際は真っ赤なウソであり、そのことを妻である藤沢モトさんに後で本の中で暴露されているのだがw

 

 

 

この藤沢秀行氏の例に限らず、破天荒な人生を送っている人は家族に迷惑はかけたが、キチンと自分が養っているという点を非常に強調する傾向があるのだけど何でなんだろう?家族をかえりみないという事を認めると本が出版できない規定でもあるのだろうか。

 

まあそんなわけで、僕はこの本を「本に書かれている事は必ずしも真実ばかりではない」という当たり前すぎる事実を学ぶという事を含めて大変な名著だと思うのだ。そういうわけで(明子さんは嫌がるかもしれないけど)やっぱり元夫・の家入一真氏の自伝とセットで読むのが味わい深いと思う。

 

なお本書には明子さんの人生録以外にも、学歴も職歴もない明子さんが家族を養うために一から仕事を獲得する生存戦略や、出産の大変さなどが非常に面白く書かれており、全体を通して非常に濃密な一冊に仕上がっている。どんな人が読んでも楽しめる事請け合いだ。

 

あと最後に・・・明子さん、本書では謙遜されているけど・・・裏では絶対モテてるでしょ(笑)