珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

初心者が圧倒されるようなワイン体験をしたいのならば、黙って万札を2枚握ってこいつらを買え!

ワインの経験値が少ない初心者が高いワインを飲むことは基本的にはオススメしません。僕も初心者時代に高い金を払って1986年のシャトー・ムートン・ロートシルトをドキドキしながら飲んだのですが、何がいいのかさっぱりわからなかったという苦い経験があります。

 

ワインは基本的には値段と味はそれなりに比例するのですが、大部分の高級ワインはキチンと味わうためには飲み手にも実力が必要とされることが多いです。と・は・い・え、やっぱり高級ワインって憧れますし、一度は偉大なワインに圧倒されるような感動を受けてみたいという人は多いと思います。

 

ハンターハンターで念を習得する方法に、ゆっくり開くか、念能力者からオーラを送ってもらい強引にこじ開ける二通りの方法があるという記述がありますが、ワイン沼への入り口もこれに似ています。

 

第二回の記事でオススメした初心者でも比較的わかりやすく美味しいワインを飲み慣れる事で舌が開く事をゆっくり待つ方法もあれば、メチャクチャ美味いワインを飲んでガツンと頭を殴られて沼への入り口を強引にこじ開ける方法もある、とでもいいましょうか。

 

今回は、初心者でも簡単に感動できる比較的入手が容易な赤・白2本の高級ワインについて記載します。

 

イタリアのスーパースター。サッシカイア

 

まずは赤ワイン。イタリアのサッシカイアを紹介しましょう。

 

このワインの生まれた歴史的背景がなかなかおもしろい。イタリアではワインに政府指定の格付け制度があり、最高品質とされているDOCGの認定を受けるためにはその土地ごとに決められた土着品種を、決められた製造方法で作る必要があります。

 

しかしそういったガチガチに法律で決められた方程式に疑問を持った一部の生産者が、フランスのブドウ品種を用いてフランスのやり方を真似て自国でワインを作るというなかなかアヴァンギャルドな事をし始めます。自国へのプライドが高いのに、こういう既存の概念にとらわれない自由な発想をする所がイタリア人らしいというか。

 

そして出来上がったのがこのサッシカイアです。当時は法律にそって最低の格付けで出荷されていましたが、あんまりに美味しいのですぐに話題になり、イタリアではこの手の手法が大ブームとなります。

 

これらの手法を取って作られるワインはスーパートスカーナトスカーナ地方で伝統的手法を無視して作られる、例外的に凄いワインに使われる呼称)と呼ばれるようになりました。サッシカイアはこれらの元祖にあたります(ちなみに今現在では法律自体が改正されて、サッシカイアは最高品質の証明であるDOCG判定をうけています。こういう法律にガチガチではない、柔軟な対応を取れるイタリア人の気質が僕は大好きです)

 

さてその味わいですが、まず香りがとてもエレガント。口に含むと芳醇な果実感が漂うものの、決して甘すぎません。渋みもある程度はあるものの、嫌な感じは全く口に残らない。

 

そして特筆すべき点は、飲んだあとの余韻の長さ。飲み込んだ後にふーっと息を出すと、腹から素晴らしい香りが何分もの間、持続します。高級ワインの素晴らしい点として、この余韻の長さがあるのですが、サッシカイアのそれは初心者にも非常にわかりやすい。

 

値段はアマゾン価格で1万6000円(なおショップだと2万程度)とそれなりにはしますが、どんな層が飲んでもハッキリとわかる美味しさを提供してくれるという点ではこのワインに敵うものもそうはないんじゃないかなぁと思います。

 

何を隠そう、僕自信がいわゆる高いワインで生まれて初めて感動したのがこのサッシカイアでありました。今でも初めて飲んだ時の感動は忘れられない。なんじゃこりゃ~。ボルドーとかブルゴーニュの高いワインより全然美味い!と1人で勝手にテンションがマックスになっておりました(今考えると恥ずかしい)

 

まあ舌が肥えてきた今現在ではフランスワインのエレガントさに首ったけではあるのですが、今でも時々サッシカイアを飲むと「旨めぇ~」と思わずにはいられません。

 

 アメリカの優良シャルドネ。キスラー

 じゃあ白は何がいいの?と聞かれたら、個人的にはアメリカのキスラーのシャルドネをオススメします。

 

これもフランスはブルゴーニュの最高品質のシャルドネの旨さを自国アメリカで再現しようとした試みから作られたワインです。若干アメリカっぽい大味な感じはあるのですが、これも誰が飲んでも旨いといえるワインの一つでしょう。

 

その味わいですが、まずはグラスからローストしたナッツの香ばしいアロマが立ち上ります。 時間がたつとバターやバニラを思わせるような香りもしてきて、なんじゃこりゃ~白ワインってこんなに旨いものなのか!と思うことうけあいです。

 

いわゆる初心者が美味しいと思える白ワインって、フルーティな飲みやすさが第一にくるものが多いのですが、ブルゴーニュの最高級ラインはナッツやオイリーさ、バターの香りが漂ってきます。これがもう無茶苦茶に旨い。今まで飲んでた白ワインは何だったんだ!と思うこと請け合いです(このうまさを一度知ってしまうと沼にハマり込んでしまうので知ることが幸せか不幸なのかは何ともいいにくいのですが・・・)

 

キスラーのワインはフランスの一級品と比べて、初心者にも非常に理解しやすいです。白でとにかく旨いもん飲みたい!という人は、選択肢として御一考下さい(キスラーは畑毎にいろいろ種類がありますが、1万円程度でも十分美味しい。最高ラインは熟成まで時間がかかり飲み頃まで数年単位かかることがある為、初心者にはオススメしません)

 

結論

御託はいいから四の五の言わずに旨いもん飲ませろ!というあなたは、黙ってこれらを買えばいいんじゃないと思います。4人集めれば1人あたり4000円程度で飲めますし、これに感動してワイン沼にはまり込むのもまた一興なんじゃないでしょうか。その後の課金具合の加速へは責任をもてませんが・・・

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本エントリーはシロクマさんの下の記事に触発されて書かれました。

p-shirokuma.hatenadiary.com