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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

この世に味オンチなど存在しない。評価基準を持てる者がいるかいないかだけである。

”俺いいもの食べてもよくわかんないんだよね。味オンチだからさー”この言葉は半分は当たっている。しかし半分は間違いだ。

 

 世の中には沢山の人が生み出した芸術がある。料理も文学も音楽も、等しく美しい。

 

これらの芸術を偉そうな顔をして批評する人がいるが、彼らがどういう点で優れているのかについて今日は書こうと思う。

 

質と量、どっちが大事?

質より量、量より質。受験勉強からスポーツまで侃々諤々の議論がなされる話題だ。

 

一概にどちらが大切かを言い切るのは難しいが、初学者には圧倒的に経験値が足りていない。質を語れる以前の段階なのである。

 

料理人の間でよくいわれている事に「食べ歩きをしない奴はいい料理を作れない」という言説がある。

 

これは「旨いものを食べた事がない奴には旨いものを作れない」という文脈で語られる事が多いのだけど、本質はそこではない。「食べ歩き」で作られる最も大切なポイントは、自分の中での基準点の確立である。

 

何と比べて自分の料理がどれくらい美味しいのか、何と比べて自分の料理に何が足りていないのか。それを分析できずに作られる料理には進歩の余地がない。


おふくろの料理しか食べた事が無い人には、おふくろの料理レベルのものしか作れないのである。


評価基準を持たぬものに正当な批評はできない。

食べログ4.5”だから”おいしい。ミシュラン三つ星”だから”おいしい。

 

実によくいわれる事だ。そしてよく自称美食家に馬鹿にされる論点でもある。これらの何が批判される点なのかといえば、ようは評価基準が自分にないという1点なのである。

 

言うまでもなく食べログには食べログの評価基準が、ミシュランにはミシュランの評価基準がある。


何かを個人が評価する事において大切なのは「◯◯がいい評価を下したから」ではなく「自分の中における基準点と比較して、これは美味しいかどうか」がキチンと自分の言葉で言いあらわせる事だ。

 

食べログで高評価だろうが、ミシュランの星ありレストランだろうが、自分の中にある評価基準と比較してコスパなり味なりが良いとか悪いとか言えるのならば、あなたは立派な批判家になりうる。そこから先は個人の嗜好の問題だ。

 

食事に時間と金を費やす事が馬鹿馬鹿しいと思うような人間からみれば、高いメシは単なる時間と金の無駄遣いでしかない。逆に人類が生み出せる美食の頂点を味わいたいようなメシ狂いには金銭的制約も国境を超えた地理的制約もない。個人の中で確立された価値観には、貴賎などないのである。

 

自分の魂に価値観を確立せよ

表題で”俺いいもの食べてもよくわかんないんだよね。味オンチだからさー。”この言葉は半分は当たっている。しかし半分は間違いだ”と述べた。

 

この言説で半分当たっているのは、”いいものを食べてもよくわからない”という発言だ。こういう事を卑屈なく言えるような個人は、食事に対する経験値が圧倒的に足りていない。しかしその言説は極めて謙虚である。そこに間違いなどあるはずもない。

 

そしてこの言説で半分間違っているのは”味オンチだからさー。”という部分である。断言するが、この世に味オンチなど存在しない。個人が感じとれる感性に良いも悪いもないのである。

 

”著名人が褒める”から旨い。”有名ガイドブックが褒める”から旨い。断言するが、このような◯◯のような権威に沿った批評しかできない個人は自分の頭で考えられないお馬鹿さんである。

 

もしあなたが仮に食事に1000円以上出すことが馬鹿馬鹿しいと思うのなら、正直に一万円のメシを値段の割には美味しくないと断言しよう。そこに間違いなどないのである。

 

素晴らしき批判家は評価基準があるゆえに崇高なのである。

評価基準を確立するのには質も量も必要だ。

 

◯◯円でここまでの味が出せるのが普通だという評価基準を確立するためには、数多くの飲食店を食べ歩く必要がある。そこの味が技術からきているのか良い食材から着ているのかを判断するのにも、多くの経験値が必要だ。

 

あなたが何か面白いものを見つけ出し、それをライフワークにしたいのなら”自分の中に何かと比較できるような価値観”を確立しよう。

 

そしてその為にはとにかく数をこなさなくてはいけない。ワインを趣味にしたいのなら少量でもいいから毎晩味わうことが大切だし、外食を趣味にしたいのならとにかく毎週末特定のジャンルの様々なレストランに通おう。


きっと一年後位には、自分の中に基準となる価値観が確立されるはずだ。そして初めて何かを語るに足りる言葉があなたに備わるのである。


その言葉には良いも悪いも善悪もない。ただあるのは、あなたの魂が創りだした評価基準である。それがあるのならばあなたも立派な批評家だ。


楽しい楽しいこちら側の世界へようこそ。

 

参考文献

堕落のグルメ ヨイショする客、舞い上がるシェフ (角川SSC新書)

 

 

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僕がレストランを評価するにあたって、参考にした書籍。友里さんは存命のグルメの中では最も優れた食客だと思います。単純に読み物としても面白いのでオススメ(他の本も素晴らしいです)