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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

遺伝子から考える夫婦別姓問題

日々徒然

昔、何故結婚した夫婦が父親の性で統一されるのかが疑問だった。この制度は父親サイドの「家族」だけが得しているようにしかみえず、極めて不平等に見えたからだ。

 

しかし生物学を学んだ後、この制度は男女の問題を考えれば比較的平等だという風に僕は納得した。その理屈について以下で記述する。

 

人には2つの遺伝子がある。

僕ら人間の構成最小単位は細胞だ。高校で生物を学んだ人はこんな絵を見たことがあるだろう。

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人の体は37兆程度の細胞により構成されている。遺伝子が存在している場所が核という。

 

よく遺伝子、遺伝子と言葉では言われているけど、実際問題遺伝子が何の役割を果たしているかキチンと理解している人は少ない。

 

簡単に言えば遺伝子にあるのは人体の設計図だ。核の中には遺伝子の塊である染色体という構造物がつまっている。染色体は父親由来のものが23本、母親由来のものが23本、合計で46本ある。

 

この染色体には人の全ての設計図が詰まっており、僕らの体はここから読み取られた情報を元に構成される。

 

上の図にはいろいろな他の器官の名前も乗っているが、簡単にいえばそれらは全て工場みたいなものだ。口から食べた食べ物は胃腸で消化され、そこで得られた材料を元に細胞は分裂を繰り返す。

 

種として同一であるはずの人間で、一卵性双生児を除いて同じ人が何故出てこないのかというと、この遺伝子の組み合わせが極めて複雑であるからだ。

 

ところで上の図にはミトコンドリアという器官がある。

ミトコンドリアの役割は簡単に言えばエネルギー製造にあたるのだけど、このミトコンドリアには細胞にあるものとは異なった固有の遺伝子がある事が実験の結果わかっている。

これは太古の昔、僕らの祖先であるアメーバーのような単細胞生成物が、別の種であるミトコンドリアをその体に取り込み、体の構成要素の一部にしたからだと言われている(これを共生説という)

 

まあ簡単に言えば、人の細胞は2つの種が混ざり合った結果出来上がったものなのである(当然というか人以外の動植物もみんなミトコンドリアは持っている。大本の祖先が同じなのだから当然の帰結だ)

 

子供の体は誰の体からできているのか?

よく親からもらった体という単語が使われているが、果たして僕達の体の元の元はどこから生まれたのだろうか?

 

保健体育の授業を例に出すまでもなく、僕達の体は精子卵子がくっついて生まれた。精子にあるのは23本の染色体と父由来のミトコンドリアだ。卵子にあるのは母由来の23本の染色体と母由来のミトコンドリアだ。

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この2つが受精して46本の染色体を持ち合わせた時に、卵子細胞分裂を開始する。

 

初めは単細胞であった卵子は何千何万もの細胞分裂を繰り返し、子宮の中で成長し、結果として子供ができる事となる。

 

さて遺伝子は父親、母親から1:1ずつ提供された。ではミトコンドリアはどういう形で受け継がれたのか。もったいぶらずに書いてしまうが、僕達の体にあるミトコンドリアは100%母親由来のである。悲しい事に父親のミトコンドリア卵子に入る前に破棄されてしまう。

 

男性のミトコンドリアは子宮内にいる卵子に到達する為のエネルギー製造装置としての役割に特化しており、御役目が済んだらポイなのだ(´;ω;`)

 

受精は受け継がれる遺伝子の総量で考えると、男性はミトコンドリアの分だけ損をしているのである。

 

姓と名というシステム

基本的に女性は自分の産んだ子供は100%自分の子供だが、男性は女性から生まれた子供が本当に自分の子供かどうかを知る手立てはない(厳密にいえば現代では遺伝子検査を行えば可能だ)

 

そんなもんだから子供が生まれた時に女性は理屈抜きに自分の遺伝子を受け継いだ自分の子供に愛情がわく事は十分理解可能だけど、男性に情がわくかどうかは難しい。だって自分と子供の間には何の共通点もないのだから。

 

では男性側に愛情をわかせるためにはどうすればいいのか?その為に作られたのが苗字というシステムだろう。これで生まれた子供は自分という種族の一員になる。高須賀家で生まれた子供は高須賀という氏を自然と受け継ぐ。サルみたいな赤ん坊に、自分と同じ種である事を証明する苗字というタグを用いた事は、自然な事に僕は感じる。

 

人は何の為に生きるのか?

人生の意味を見つけるのは難しい。僕も昔、かなり真剣に考えた。

 

この世にあるもので確かなものは、時間である。時間は決して逆方向へは進んでいかない。ただ先へ先へと流れていく。そして時の流れにのった宇宙は、より複雑なものへと移り変わっていく。

 

生物は後世に自分の構成要素を含んだ子供を残すことができる。僕たちは、遠い未来と、遠い過去を繋げていくという壮大な絵巻物を作る作業に組み込まれた一つの歯車なのである。その為にあーだこーだいいながらも日々をなんとか生きているのだ。

 

今の制度では男は自分の遺伝子と名字を、女は自分の遺伝子とミトコンドリアを、子供という形で後の世に残すことができる。

 

苗字なんてたかが名称だ。だけど、なんだか帰属意識とか、少し誇らしい気持ちを時に与えてくれる、大切なものの一つである事は疑いようもない。人が生み出した、素晴らしいシステムだ。

 

女性は自分のミトコンドリアを子供に残せるのだ。苗字を子供に残す権利ぐらい男性にくれたっていいんじゃない?(ちなみに夫婦別姓かつ子供は父親にするという選択肢はどんなんだヽ(`Д´#)ノ ムキー!!という意見が当然あるとは思うけど、長くなったのでそれについては別の機会に書く...かも)