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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

パリのミシュラン三つ星は何が凄いのか

日々徒然 プロジェクト美食本

食の最高峰といわれてるパリ。その中でも頂点を極めているといわれているのがミシュラン三つ星のお店だ。その数は9店しかない(2015年度版)

 

ミシュラン側の説明では三つ星は「その為だけにわざわざ訪れる価値がある店」だと説明されており、味だけが選考基準になっていると公式にはアナウンスされている。

 

しかし少なくとも東京の三つ星レストランを見ると「旨いだけなら別に他の店とそんなに変わらないんじゃ・・・」という店ばかりだ。今回パリに行き、ミシュラン三つ星の中でも最高峰と言われる2店へ訪れたのでそのレポートと、ミシュラン三つ星とは何かについて考察を交え報告する。

 

L'Epicure

超高級ホテル(一泊15万ぐらいする)、ル・ブリストル内にあるレストラン。なお予約はe-mailで三ヶ月ほど前から可能だ。二日前までにリコンファームが必要だけど、これもe-mailで可能。便利な世の中になったものですね。

 

ここはクラシック料理が主体であり、古き好きパリの最高峰フレンチを体現しているというのが売りだ。食事代だが、アラカルトだと一皿一万円~一万五千円ぐらい。コースなら昼で一万七千円、夜なら3万超えは覚悟されたし。なお日本語メニューあり。

 

ワインリストだけど、全体的に高い。品揃えはいいけど、小売の二倍の値付。まあここまできて値段で文句言うなと言われてしまいそうだけど。

 

肝心の味だが、悪くはないが頂点ではないかな、という感じ。トリュフソースのマカロニにリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルを頂いたのだけど、天にものぼるような恍惚感は残念ながら得られなかった。

 

僕は食べなかったけど、隣の人が頼んでいたブレス鶏のヴェッシー包み焼きは凄かった。鶏をまるまる一匹使って、食べるのは胸肉だけ(他の部分は全て捨ててしまう)。おいおい、その鶏一匹で一万超えるんだぞ・・・

 

印象的だったのはサービス。ソムリエは忙しい中、とにかくゲストとしての我々を喜ばせようとして一心だった。日本語も少しは喋れるようで、シブヤ、ハラジュク、ハラキリみたいなしょうもないギャグも緊張していたからか面白く笑わせてもらった。

 

最後の最後に薔薇を一輪渡され、愛する奥様へ、こっそりプレゼントしてあげてくださいと言われた時は流石に感動した。なるほど、一流のサービスってこういうことなのですね。

 

ちなみにお会計はハーフワインを頼んで二人で6万ぐらいでした。

 

Alain Passard - Restaurant ARPEGE

フランスで一番予約が取りにくいといわれているレストラン。外観は意外と普通で、街場のレストランとあまり変わらない。なおこちらも予約はe-mailで可能。リコンファームもe-mailでOKだ。

 

その料理の特徴は、自家農園で作られた野菜を使って作られるオリジナリティ溢れる皿にあると言われている(ベジタリアンメニューもある)ただ火入れの天才ともいわれており、その肉・魚料理の素晴らしさも絶賛されている。ちなみに日本三つ星フレンチのカンテサンスのシェフ、岸田さんはこちらの孫弟子にあたる(直接修行はされていない)

 

食事代はアラカルトなら一皿一万円ぐらい。コースなら昼は一万七千円位。夜は五万ぐらい。ちなみにワインリストはプア。値付は三つ星の割には高くはないけども。メニューはフランス語のみ。英語で口頭で丁寧に説明はしてくれる。

 

アラカルトが旨いとは聞いていたのだけど、一回目ならコース料理で真価を味わうのがオススメと聞いていたのでコースを選択。どうだったかって?凄かった。味がじゃない。皿数が、だ。

 

多分総計で25皿は出たんじゃないかな。肉が2皿、魚が2皿、デザートが2皿。あとは全部野菜。よくもまあこんなにアイディアがわくもんである。そしてどれもこれも、他ではとても食べられないような料理ばっかり。

 

野菜料理は野菜料理で凄かったが、圧巻はブレス鶏の胸肉。鶏の胸肉ってこんなに美味しいのね。火入れの天才の意味がよくわかったよ。これはちょっと他では食べられないかもしれない。

 

サービスは可もなく不可もなし。ただ皿出しは異様に早い。あと何故か総料理長であるアラン・パッサール氏はスタートから営業終了まで客席で笑顔を振りまいていた。最後の最後には常連さんと一緒に料理食べてたしw

 

最初は料理しろよって思ってたけど、よくよく考えてみれば部下にあそこまで任せられるのは凄い事である。それにある意味では最高のサービスの提供の仕方なのかもしれない。僕も英語で随分色々質問したけど、ニコニコしながら全部回答してくれた。いやはや、楽しい一時でした。

 

会計はランチだった事もあり、ハーフワインを頼んでランチで5万ぐらい。

 

ミシュラン三つ星って結局どうなの?

批判を承知で言うけども、味それだけを切り取ってみればミシュラン三つ星にしかない美味しさというのはない気がする。そのどれもが東京のいいレストランなら再現可能な範囲であるし、これよりも美味しいものは幾つも思い浮かべることができる。

 

正直な事をいえば、三つ星って大した事ねーじゃんというのが当初の感想だった。僕はフランスで20を超えるレストランを訪れたけど、味でいえばもっと優れた店は他にもあった。

 

けど東京に帰ってきて数日たってから評価が一変した。今現在、レストランについての思いを馳せた時に鮮明に思い出せるのは、パリの三つ星レストランだけなのである。

 

ミシュラン三つ星とは何か。

 

それは思い出に残る何かを提供することができるレストランなのである。

 

そういう観点でみれば、東京のミシュランガイドのレストラン選択もある程度納得がいく。確かに恵比寿のロブションは一度食事をしたら外観も相まって忘れられないだろう(高いけど)。すきやばし次郎も、小野二郎という伝説を味わう場所として考えれば、コスパとかを超越した場所になるだろう(高いし、くつろげないけど)。

 

ある意味ではミシュランガイドの三つ星は嘘つきである。味だけで判断しているとは到底思えない評価を数多く下しているから。

 

だけど印象に残るレストランという意味では正統な評価だ。本場パリの三つ星でも既に食後感が昔と違って三つ星レベルにそぐわないというお店が幾つかあるらしいけど、それは多分歴史やイノベーティブ性等の、様々な付加価値を含めた評価がそこにあるのだろう。だからこその三つ星なのだ。

 

あなたが味だけを追い求めるならミシュランガイドは全くオススメできない。だけど記念日等で記憶に残る食事をしたいというのなら、ミシュランガイドは悪く無い選択肢の一つだ。

 

一年間で数百件もレストランを回ったら、自然と印象に残る店だけを評価候補にあげたくなるという審査員の気持ちはわからないでもない。そういう意味では、ミシュランの評価は正当なのだろう。いち消費者として、大変参考になりました。