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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

藤沢数希の年収が二億円なのは人を愛せなくなった事の代償なのかもしれない

日々徒然

・何かができるようになることは何かができなくなることでもある。

初めから僕の話で恐縮なんだけど、僕は生まれて初めて採血をするときに、人の肌に針を入れることが怖くて怖くて仕方がなかった。とはいえ医者としてどうしてもやらなくてはいけない事なので、恐る恐ると人の体を直接傷つける行為をしていた。今でも初めて採血した時の気持ち悪さは胸に残っている。

 

初めはこんな感じなので本当に採血が下手で、よく患者さんを痛がらせてしまった。凄く悪いことをしたな、と思う。しかし数を重ねていくうちに、段々と始めの頃にあった「人を傷つける行為」に対する背徳感は薄れ、そのうち何の躊躇もなくサクサクと採血ができるようになった。自慢じゃないけど今の僕は痛くない採血コンクールがあったらダントツでトップだと思う(割と本当にこれは自信がある)。

 

僕は「人の肌に針をさす背徳感」を無くした結果、「死ぬほど上手い採血」ができるようになった。あまり深く考えていなかったんだけど、よくよく考えてみると採血ができるようになった僕は人として凄く大切な何かを捨ててしまったのかもしれない。

 

またこんなこともあった。ある時期から、僕の嫁が僕を見るたびに「あなたは人の気持ちがわからないアスペルガーだから絶対に病院にいった方がいい」ということがあった。正直初めは全然気にしてなかったんだけど、あまりにも何回も言われるとやっぱり少し自分がおかしいのかもしれないと思うようになった。

 

そして自分の行動をいくつか検証してみると、確かに昔に比べると人の痛みがよくわからなくなっているのかもしれないな、という行動が散見された。いつからだろう。人の心がわからなくなったのは・・・

 

そうか。僕が医者になってからだ。

 

考えてみると、医者として働いた時から僕は多くの患者と痛みを共有することとなった。わが子を失った親の悲しみ、一家の大黒柱の突然の死、幸せな家庭を襲う突然の悲劇。正直、ここには書ききれないぐらいの患者の悲劇と僕は対面した。またそれと同時に、到底人としてまともには対応したくない多くの生活保護患者や境界性人格障害の患者とも関わった。初めは僕の心に悲しみや怒り、その他多くの感情が雨あられのように降り注ぎ、週末はその疲弊した心でもう心身クタクタだった。

 

それがいつからだろう。僕は患者さんの痛みが全く心に響かなくなった。どんなにモンスターな患者を目の前にしても、心に怒りが浮かばなくなった。

 

ああそうか。僕は心が死んでしまったのだ。

 

なんということだろう。医者という職業人になるということの代償は、人の、心を、失う事だったのだ。人の心を一番理解しなくてはいけないはずなのに。研修医の頃はあまりにも頼りなくて患者さんからの人望が皆無だったけど、今では僕に会えるだけで嬉しいといってくれる数多くの患者さんがいる。病院での患者さんからの支持を集めている医者ランキングがあれば、ダントツでトップだと思う(これは流石に冗談です)。だけど、僕はもうこの方々とは真の意味では心をかよわせる事ができないのかもしれない。そう思うと悲しくなった。

 ・藤沢数希さんの代償

さて表題である。僕が説明するまでもなく、藤沢数希さんはネット界が産んだ稀代のスターだ。彼は現代科学の粋を集めて「もっとも効率的に女の子とセックスをする方法」をこの世に産み落とした。彼はそれを恋愛工学と名付けた(その研究成果は「僕は愛を証明しようと思う。」に詳しい)。

 

これは発表当初から様々な場所で活発に議論され、今では恋愛工学を信望する信者と、それらをめちゃめちゃに攻撃するアンチを産みだした。はっきりいうけどこれは普通の状態じゃない。恋愛工学誕生前後で世界線が変わってしまったのだ。イグノーベル賞級の発明だろう。

 

そしてネットメディアが彼に注目を集め、今では彼の生身の声もいくつか対談という形で残されている。代表的なところでははあちゅうさん、二村ヒトシさんなんかの対談が有名である。

 

二村ヒトシさんとのインタビューで藤沢氏は、「だって、お腹が空いたら食べ物を探しに行くじゃないですか。それと同じで、恋愛って、性欲が満たされなかったから、満たされるように活動する、というだけの話ではないでしょうか?」という事をサラッといいのけている。この発言はちょっと普通の人には言えない。

 

上記発言を含め、いろいろな場所で藤沢さんは人の心がわからないサイコパスだといわれるようになった。藤沢さんがオカシイのだろうか?ノーノーノー。全然わかってない。いいかい。大切なことだからよく聞きなよ。彼は、恋愛工学をこの世に産み落とした事で、人を、愛することができなくなったのだ。

 

恋愛工学に限らず、重要な世の中にある真理は誰かがそれを作り出すものではない。自然界に初めからあったものだ。賢人はそれを注意深くみつめていき、この世に形を与える。

 

なんでそんな事がおこなわれるのか。それは、その真理を世の中の人々が欲するからだ。ニュートン力学相対性理論量子力学、世界に隠れた真理は賢人によってみつけられ、そして世の中に様々な福音と闇をもたらした。

 

恋愛工学だって、世の中の人々がそれを欲したから産み出されたのだ。藤沢さんがやらなくても、いつか別の天才が時は違えど必ずこの世に産み出しただろう。

 

藤沢さんは世の中から真理を発掘した。そして彼はその功績により、年収二億円という日本最高峰の所得を得た。しかしその素晴らしいテクノロジーをこの世に産み落とす代償に、彼は人を愛することができなくなったのだ。ああ、なんという事だろう。藤沢さんが恋愛工学という人とセックスをする為の手法を見つけ出したことの代償は、人を、愛する心を、失う事だったのだ。

 

拝啓

藤沢数希様

平素より大変お世話になっております。あなたに対する阿鼻叫喚、誹謗中傷の嵐、日々とても辛いことと存じます。

貴方様の開発した恋愛工学は世界を変えました。大変素晴らしいことだと思います。

その功績に対して、1人の男、いえ雄としてお礼をいわせてください。

恋愛工学をこの世に生んでくれて、ありがとう。

 

 

 

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敬具っ!