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珈琲をゴクゴク呑むように

アツアツだよ(´・ω・`)

5分でわかる高級フレンチの歴史

フランス料理の歴史を御存知でしょうか?ものの本によると事の始まりは1533年、フィレンツェの大富豪であるメディチ家のカトリーヌがフランス王アンリ2世に嫁ぐ際にお抱えのイタリア人シェフを連れてきたのが始まりともいわれています。このことからわかるように実はフランス料理はイタリア料理を元にスタートしたものであるといわれています。その当時、フランスでは国内政治闘争が激しく、まだフランス料理といえるような食事の技術が成立していなかったのです。その後は国内政治も落ち着いてきて徐々に王族貴族が豪勢な晩餐会を好みはじめたという事もあり、段々と料理技術が発展していきます。

この当時の晩餐会はビュッフェスタイルでとにかく沢山の料理が沢山でたようです。現在のような一皿一皿でてくるコース料理のスタイルが確立されたのは18世紀以降といわれており、これはロシアの宮廷料理のスタイルを参考に確立されたようです。こういう時代背景からもわかりますが、意外とフランス料理は他の国の文化やスタイルを柔軟に受け入れる傾向があります。
この頃一人の天才が生まれます。アントナン・カレーム(1784年 - 1833年)。彼は様々なレシピを作ったり料理法を体系化したといわれており、フランス料理の偉大な先駆者と称されています。特に有名なのがフレンチに大切なソースを4つに分類したことで、それぞれソース・ヴルーテ(薄いルー(小麦とバターで作られたもの)を白いフォン(肉や魚の骨から取られた出汁)で伸ばしたもの)、ソース・アルマンド(卵をベースとしたオランデーズなど、乳化液状のソース)、ソース・ベシャメル(牛乳をベースにした白いソース)、ソース・エスパニョール(濃いルーに茶色いフォンを加えて煮詰めたもの)、といいます。
その後、オーギュスト・エスコフィエ(1846年 - 1935年)というもう一人の天才がカレームの築き上げた技法を単純化・体系化し、フランス料理の技術はより広くへと伝わっていくこととなります。なおコース料理を初めて取り入れたのもエスコフィエだと言われています。
話は変わりますが、あの有名なミシュランガイドが出たのは1900年です。ガイドブックを作ることで自動車旅行が活発化し、タイヤの売れ行きが上がることが目論みで作られたとの事ですが、まさか作った当時はここまで影響力が出るだなんて思いもしなかったでしょう。ちなみに三星で評価するスタイルは1933年に確立したようです。
その後もエスコフィエの調理スタイルは20世紀までずっと続くのですが、1964年にレイモン・オリヴィエというシェフが東京オリンピックの選手村にて簡素化され軽い調理の和食に出会い、ヌーヴェル・キュイジーヌという新たな流れが登場します。ヌーヴェル・キュイジーヌというのは、それまでバターがたっぷりと使われ重たいソースにより味付けされたクラシックフレンチ調理に対するアンチテーゼみたいなもので、簡単にいうと新鮮で質の良い食材を使い、脂肪が控えめな素材本来の姿や形、色などを活かした調理であるといわれています。
この頃になるとミシュランの星を争い様々な有名シェフが登場し始める現代美食戦国時代ともいえる様相になってゆきます。ポール・ボキューズ、アラン・シャペルといった現代のシェフにも大きな影響をのこした人がでてきたのもこの時代です。これらのシェフに影響された日本人も多いです。この頃になってくると段々と日本人シェフのフランスへの留学なども盛んになってきます。段々と日本に本物のフレンチが入ってきた黎明期ともいえましょう。
その後もジョエル・ロブションなどといった有名シェフが輩出されてゆき、1980年前後にフランス料理は世界の美食業界の中でも追いつくもののいない絶頂期を迎えます。そして同時にこの頃からフレンチは若干迷走し始めます。
その後の美食業界の変革としては醤油やスパイスといったオリエンタルな食材を取り入れたフュージョン料理というスタイルが登場したり、スペインのエルブジのような分子ガストロノミーといった液体窒素をはじめアルギン酸ナトリウム(人工イクラの皮の部分)や注射器などを使って科学で料理にアプローチする新しいスタイルの調理方法も生まれてきました。どれもフランス料理は中途半端に取り入れるものの、上手くは受け入れられていません。
これまで様々な国の技術やスタイルを取り込み、食の世界を牽引しつづけてきたフレンチですが、今後の方向性を見失っている感があります。ちなみに賛否両論いろいろあるとは思いますが、今現在では世界最高のレストランと言われているのはデンマークのコペンハーゲンにあるノーマです。
今後はどうなるかわからないものの、こうして振り返ってみると1500年前後ぐらいからおよそ500年もの長きにわたって食事に真摯に向き合ってきたフランス人の国民性には畏敬の念を感じてしまいますね。